
山口と2―2 暫定7位 第10節
サッカー・J2サガン鳥栖はリーグ戦第10節第1日の19日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムでレノファ山口FCと対戦し、2-2で引き分けた。鳥栖の通算成績は4勝2分け4敗(勝ち点14)で順位を一つ上げて暫定7位。3連勝を狙った鳥栖は、前半9分に新井晴樹のシュートで先制。後半、立て続けに失点したが、追加タイムに堺屋佳介が同点ゴールを決めて追いついた。
前節6位の長崎は甲府と1―1で引き分け、4連敗を免れて勝ち点15とした。愛媛は山形に3―2で競り勝って初白星を挙げた。
第10節の残りは20日に行われる。第11節は25、26の両日にあり、鳥栖は25日午後7時から駅前不動産スタジアムでモンテディオ山形と対戦する。
【戦評】終了間際 堺屋、豪快ヘッド
鳥栖は後半追加タイムの堺屋の同点ゴールで山口と引き分けた。
鳥栖は立ち上がりから新川や新井を中心に積極的な攻撃を見せた。前半9分、左からドリブルで切り込んだ新井が右足を振り抜き先制。守っては前線からの素早いプレスで主導権を握ると、ゴール前には森下や井上が立ちはだかり、1-0で折り返した。
後半は立ち上がりから山口に主導権を握られた。5分に同点ゴールを許すと守備が乱れ、10分に勝ち越された。堀米、鈴木らを投入し攻撃の活性化を図ると、追加タイム、日野のクロスに堺屋が頭で合わせ、引き分けに持ち込んだ。
攻守に若さ「もったいない」連続失点

攻守の両面に「若さ」が出たゲームだった。鳥栖は後半追加タイムにMF堺屋佳介の同点ヘディングシュートが決まり、山口と2-2のドロー。エネルギッシュなプレーを見せた一方で、連続失点するなど精神面のもろさも垣間見えた。
1点を追いかける後半追加タイム。相手の堅い守備に阻まれ敗戦ムードが漂う中、若い2人が意地を見せた。日野翔太のクロスに反応した堺屋が頭で合わせ、豪快にゴールネットを揺らした。「ずっとチームの力になりたいと思っていた」と堺屋。2人のゴールへの気持ちが重なり、黒星を払いのけた。
一方で、守備では精神的な未熟さを露呈した。攻守ともに圧倒した前半と打って変わって、後半は相手に主導権を握られた。サイドからのクロスに合わされて同点を許すと、そのわずか5分後にまたも同じような形から失点。本来であれば気持ちを切り替え、我慢すべき時間帯だっただけに、小菊昭雄監督は「メンタリティの弱さが出た。もったいない」と悔やんだ。
それでも、小菊監督は「自分たちがチームを引っ張るという意欲を見せてほしい」と若い選手たちに強く求め、「クラブの未来は明るい」とも断言した。今季リーグ戦はまだ4分の1を過ぎたばかり。個々の成長が必ず、白星をつかむチームの力になるはずだ。(丸山美陽)
MF新井、鮮やか先制ゴール「仕掛けることできた」

得意のシーンで仕掛けることができた。個人の目標は7ゴール7アシスト。今はチームの勝利に焦点をあてているので、守備も大事にしている。攻撃面ではもっと怖い選手になりたい。