
<サガン鳥栖>サガン攻守かみ合い連勝 鳥栖2-0長崎 隣県ダービー制し8位浮上 第9節
サッカー・J2サガン鳥栖はリーグ戦第9節最終日の13日、長崎市のピーススタジアムでV・ファーレン長崎と対戦し、2-0で勝利した。隣県ダービーを制し、アウェーでは今季初の白星。通算成績は4勝1分け4敗(勝ち点13)で順位を五つ上げて8位になった。
首位の千葉は藤枝を3―2で下して2連勝とし、勝ち点を24に伸ばした。3点を先行し逃げ切った。藤枝は同12。
第10節は19、20の両日に行われ、鳥栖は19日午後2時から、鳥栖市の駅前不動産スタジアムでレノファ山口FCと対戦する。
【戦評】山田2得点、エースに名乗り
攻守がかみ合った鳥栖が長崎に2-0で快勝した。
前半、立ち上がりから西矢や新井が球際で激しく競り合い、主導権を握った。31分、ゴール正面でスリヴカからのパスを受けた山田が右足で決めて先制に成功。泉森や森下ら守備陣も体を張った守備を見せ、1-0で折り返した。
後半は相手にボールを握られた。攻め込まれる時間帯が続いたが集中した守りでしのぐと、後半28分、櫻井のスルーパスに抜け出した山田がこの日2点目を決め、粘る相手を突き放した。
鳥栖は最後までハードワークを貫き、アウェーで今季初の勝利を手にした。
FW 山田寛人2得点、エースに名乗り 移籍後初ゴール「全然満足していない」

新たなエースの誕生を予感させた。FW山田寛人が移籍後初ゴールを含む2得点で勝利に貢献。「ずっと取りたかったゴール。本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
意地と意地がぶつかり合った7年ぶりの隣県ダービーに、佐賀からもサポーター3000人が詰めかけた。前半31分、山田はゴール正面でスリヴカから受けたパスを鋭く振り抜き、待望の今季初ゴール。「エースは俺だ」と言わんばかりに、ゴール裏のサポーターに向かって力強く拳を突き上げた。
苦しい展開が続いた後半には、持ち味を発揮してチームを勢いづけた。櫻井辰徳の狙い澄ましたスルーパスに鋭く反応し、一瞬で裏に抜け出すと、相手GKの股下を冷静に打ち抜き、貴重な追加点を挙げた。長崎サポーターで満員のスタジアムにサガンサポーターが奏でる「寛人」コールが鳴り響いた。
チームが待ち望んだ複数得点。開幕からFW陣にけがが相次ぎ、ここまで得点力不足に悩んできたが、この日の山田の活躍はJ1復帰を目指すチームにとって大きな希望になりそうだ。
小菊昭雄監督は「J2で得点王も狙えるストライカー」と期待を寄せた。山田は「まだ全然満足していない。もっと自分の駆け引きでゴールを奪いたい」と意欲を見せた。(丸山美陽)
MF新井晴樹「チームの成長を実感」

新井晴樹(先発出場し、積極的な守備で勝利に貢献) スリヴカと小川に「もう一つ高い位置から奪いにいこう」と話し、それが1点目につながった。試合中、相手の動きに合わせて対応を変えたことは初めてで、チームとしての成長を感じている。