鳥栖―熊本 後半、相手と競り合う鳥栖MF松本凪生(左)=熊本市(撮影・米倉義房)

<サガン鳥栖>九州ダービー、熊本に1―3で完敗 第7節

 サッカー・J2リーグ第7節最終日は30日、熊本県のえがお健康スタジアムなどで9試合が行われた。サガン鳥栖はロアッソ熊本と対戦し、1―3で完敗した。鳥栖の通算成績は2勝1分け4敗(勝ち点7)で順位は16位。

 第8節は5、6の両日にあり、鳥栖は5日午後2時から鳥栖市の駅前不動産スタジアムで藤枝MYFCと対戦する。

【戦評】ミスから立て続けに失点 熊本に1―3で敗れる

鳥栖―熊本 1―3で敗れ、肩を落とす鳥栖の選手たち=熊本市

 ミスから立て続けに失点した鳥栖が、熊本に1―3で敗れた。

 鳥栖は長短のパスを組み合わせて相手守備の背後を狙った。16分に西矢のシュートはGKの好守にあい、そのこぼれ球に山田が反応したが得点できなかった。23分にミスからショートカウンターを受けて失点。36分にも再びミスが失点につながり、前半を0―2で折り返した。

 得点を奪いたい鳥栖だったが、後半立ち上がりに主導権をつかんだのは熊本。立て続けにシュートを放たれると、7分にCKのこぼれ球を押し込まれて3失点目。選手交代などで流れを変えようとしたが、30分にCKで迎えたゴール前の混戦も決めきれなかった。追加タイムに日野がゴールを決めたが、その1点がやっとだった。

得点力不足、連係もほころび 櫻井「うまくいかなくなった」

鳥栖―熊本 前半、相手から厳しいマークを受ける鳥栖MF櫻井辰徳(右)=熊本市(撮影・米倉義房)

 悔しさともどかしさだけが残った。鳥栖は熊本との14年ぶりの九州ダービーを1-3で落とし、完敗。課題の得点力不足に加え、守備の連係面でもほころびを露呈した。井上太聖は「戦績を五分に戻すためにも勝利が絶対だった」と肩を落とした。

 いい流れの時間帯に得点を奪えなければ、自分たちが苦しくなることは誰もが分かっていた。

 前半20分過ぎまではボールをつなぎ「完全に試合を支配していた」と森下怜哉。立ち上がりから攻守の両面で主導権を握るサッカーを展開した。

 しかし、前半23分に高い位置でボールを失い、先制点を許すと一変した。「チームとしての緩さなのか、意思疎通の部分なのか。分からないけど、うまくいかなくなった」と櫻井辰徳。それまでできていた自分たちのプレーを見失い、ミスから2点目を献上した。

 ボールを保持して戦うスタイルに一定の手応えをつかむ一方で、4失点した今治戦のように、先制された試合での戦い方にはまだ迷いがある。「追いかける展開でも崩れないことが必要。練習から質を上げていけば自信はついてくる」と井上。今は我慢の時だ。(小部亮介)

DF北島郁哉(鳥栖市出身)今季初アシスト 「逆転させられる選手に」

鳥栖―熊本 後半、相手をかわす鳥栖DF北島郁哉(左)=熊本市

 鳥栖の下部組織で育った北島郁哉(鳥栖市出身)がリーグ戦5試合ぶりの出場でアシストを記録した。途中出場からの活躍もチームの勝利にはつながらず「逆転させられるような選手にならなければ」と唇をかんだ。

 沖縄キャンプの終盤に右脚を負傷。第2節・磐田戦で今季初出場したが、直後の練習でけがして再び戦列から離れた。その中で前向きに復帰を目指した。

 この日は3点を追う後半18分にピッチに立つと積極的に攻撃参加した。終了間際に浮き球で日野翔太の得点をお膳立てし、「数字を残せたことはよかった」。

 ただ、悔しい敗戦に変わりはない。「(コンディションは)先発起用されても大丈夫。しっかり準備していきたい」と次戦に向けて気持ちを切り替えた。(小部亮介)