鳥栖-藤枝 後半12分、ゴールを決め、祝福を受ける鳥栖DF井上太聖(右上)=駅前不動産スタジアム

<サガン鳥栖>藤枝MYFC破り13位に浮上 鳥栖1-0藤枝 J2第8節

 サッカー・J2リーグ第8節第1日は5日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムなどで8試合が行われた。サガン鳥栖は藤枝MYFCと対戦し、1-0で勝利した。鳥栖はホーム戦3連勝で、通算成績を3勝1分け4敗(勝ち点10)とし、13位に浮上した。
 第8節最終日は6日に2試合が行われる。第9節は12、13の両日あり、鳥栖は13日午後2時から長崎市のピーススタジアムでV・ファーレン長崎と対戦する。

【戦評】藤枝MYFCを1-0で下す DF井上が決勝ゴール

 後半、攻勢に出た鳥栖が藤枝MYFCを1-0で下した。

 鳥栖は前半、自陣からパスをつなぎ攻撃を組み立てたが、相手の高い位置からの守備に押し込まれた。自陣でボールを奪われ、攻め込まれる場面もあったが、GK泉森やDF小川らを中心に粘り強く守り、無失点で折り返した。

 後半はFWのスリヴカに代わり山田を投入。開始直後から積極的な攻めの姿勢を見せ、相手ゴールに迫った。後半12分、右CKから日野がシュートを放ち、相手がはじいたボールに井上が反応し、右足で押し込んだ。その後、追加点こそ奪えなかったものの、攻め手を緩めず。最後も守備陣が踏ん張り、無失点で逃げ切った。

ルーキー井上太聖が千金ゴール プロ初得点「気づいたら体が動いていた」

鳥栖-藤枝 後半12分、こぼれ球を蹴り込みゴールを決める鳥栖DF井上太聖(左)=駅前不動産スタジアム(撮影・鶴澤弘樹)

 

 サガンブルーのフラッグが揺れる駅スタでサポーターの喝采を一身に浴びた。鳥栖のルーキー井上太聖が、藤枝からプロ初ゴールを挙げてホーム3連勝に貢献。試合後は仲間とハイタッチして、「得点の喜びを味わえた」と相好を崩した。

 後半12分、ゴール前で日野翔太のシュートが相手DFにはじかれたこぼれ球に誰よりも早く反応した。「気づいたら体が動いていた」と井上。無我夢中で右足を振り抜き、ゴールに押し込んだ。

 特別指定だった昨季はけがに泣いた。今季は自らの価値を示すために「けがせず、試合に出続けること」を目標とし、開幕戦を除く7試合で先発出場を続けた。

 守備でもチームの中核として死力を尽くし、相手の終盤の猛攻を無失点に抑えた。小菊昭雄監督が「乾いたスポンジが水を吸収するように伸びている」と話す期待の若手。本人も「チームをけん引する絶対的な存在になりたい」とさらなる成長に強い意欲を示した。

 13日にはV長崎と九州ダービーを戦う。井上は「ホーム3連勝で勢いづいた。絶対に勝ち点3を取る」と力を込めた。(丸山美陽)