
サガン待望の初勝利 鳥栖1-0大宮 リーグ第5節
サッカー・J2リーグ第5節第1日は15日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムなどで5試合が行われ、サガン鳥栖は開幕4連勝で2位のRB大宮アルディージャに1―0で完封勝ちし、今季初勝利を収めた。鳥栖の通算成績は1勝1分け3敗(勝ち点4)で16位。
第5節最終日は16日に5試合がある。第6節は23日に行われ、鳥栖は午後2時から、同スタジアムでカターレ富山と対戦する。
【戦評】歓喜の笛 サポーター沸く
PKで奪った得点を守り切った鳥栖が今季初勝利を手にした。
鳥栖は立ち上がりから長短のパスを使い分けてボールを保持して主導権をつかんだ。両サイドからクロスを入れ、効果的な縦パスを通すなど攻撃の形をつくった。前半38分には、スリヴカが獲得したPKを西澤が落ち着いて決めて先制し、リードして折り返した。
後半は攻勢に転じた相手に対し、今季初先発のGK泉森を中心に粘り強く守った。波状攻撃を仕掛けられたが、小川や森下が体を張って止め続けて無失点。追加点こそ奪えなかったが、今季1勝目を完封で締めた。
気迫前面 大宮を完封 PKの1点守り抜く

待ち望んだ歓喜のホイッスルがスタジアムに鳴り響いた。鳥栖は開幕4連勝と勢いに乗る大宮を完封し、1―0で今季初勝利。勝ちに飢えていた鳥栖イレブンは満面の笑みを浮かべ、5500人のサポーターと喜びを分かち合った。
スタジアムを沸かせたのは今季初先発のGK泉森涼太だった。前半28分。相手左サイドから切り込まれたシュートを左手1本で阻止した。「決定機を防ぐ仕事ができた」と胸を張った。
1―0で迎えた後半は猛攻を受けた。「みんな勝ちたいという一心で戦えた」と小川大空。森下怜哉とともに守備を統率し、シュートを体で止めるなど気迫を見せた。「最後は脚がやばかった」と小川。終了と同時にピッチに倒れ込んだ。
開幕4戦未勝利は想定外だった。始動日から取り組んできたサッカーが本当に正解なのか。自信を失いかけていたチームにとって、この日の勝利は大きな分岐点になりそうだ。小川は「全員が楽しくサッカーをできていた。忘れかけていた感覚を思い出せた」。言葉に熱が入った。
試合後、ゴール裏には「ONE HEART Go to J1 again」の横断幕が掲げられた。今季初勝利は「J1復帰のための通過点」と泉森。小川は「この1勝に満足せずに続けていくだけ」と言い切った。鳥栖の反撃がここから始まる。
西澤、今季初得点「みんなに感謝」

鳥栖の西澤健太がPKを右足で冷静に蹴り込んでネットを揺らし今季初得点。「1点を守り切ってチーム全体でつかんだ勝利。みんなに感謝」と白い歯を見せた。
開幕から4試合は右サイドを主戦場にしたが、この日は前線の2列目でプレー。「守備も攻撃も自分次第で変わってくる」と強い気持ちでボールを追いかけた。前半38分にスリヴカが得たPKを決めると、左胸のエンブレムを握りしめ、ゴール裏に拳を突き上げた。
ショートカウンターから持ち込んでシュートを放つなど果敢にゴールに迫る場面もつくった。「他にもチャンスはあった。枠に収める、得点につなげることを求めていく」と力を込めた。
ようやく1勝をつかんだが、満足感は一切ない。「今が一番ではなく、シーズン終わったときに『最高のチームになった』と思える1年にする」と、さらなる飛躍を誓った。(小部亮介)