鳥栖―名古屋 後半、自身2点目のゴールを決め祝福を受ける鳥栖・中原(中央)=長良川競技場

名古屋グランパスに3―0快勝 中原輝が移籍後初ゴール

 サッカー・J1サガン鳥栖はリーグ戦第37節第1日の30日、岐阜県の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で名古屋グランパスと対戦。3―0で勝利し、2試合ぶりの勝ち点3を手にした。通算成績は9勝5分け23敗(勝ち点32)で20位。名古屋は勝ち点47で13位。
 リーグ戦最終節の8日、鳥栖は午後2時から、鳥栖市の駅前不動産スタジアムでジュビロ磐田と対戦する。

【戦評】

 鳥栖は中原の2得点の活躍で、名古屋に完封勝ちを収めた。
 鳥栖は前半8分にスリヴカ、10分に中原が立て続けに得点を決め、リードを奪った。後半は劣勢が続いたが、22分に中原がこの日2点目を流し込んで点差を広げ、試合を決めた。相手のカウンターには今津や木村が対応。クロスからピンチを迎えるも場面もあったが、チーム一丸ではじき返し、ゴールを死守した。

 

スリヴカ鮮やか先制弾 4試合ぶり得点、最終戦へ闘志「勝利を届けたい」

鳥栖―名古屋 後半、競り合う鳥栖MFスリヴカ(右)と名古屋MF菊地泰智=岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場

 先発出場のスリヴカが前半8分に先制ゴールを挙げた。10月初めのFC東京戦以来、4試合ぶりの得点に「試合の序盤に先制できた。決まってよかった」と胸をなで下ろした。
 福田晃斗の右からの折り返しを力強く蹴り込んだ。「自ら入り込むスペースをつくって飛び込もうと思っていた。イメージ通りだった」と胸を張った。
 左サイドでの起用が続き、「相手の最終ラインにプレスをかけることや、中央に切り込むことを意識している」。攻撃の軸として欠かせない存在となったリトアニア人アタッカーは、最終戦に向け「今季J1で戦う最後の試合。たくさんのサポーターに勝利を届けたい」と闘志を燃やした。(中村健人)

中原輝、移籍後初ゴール けが超え「勝利に貢献できた」

鳥栖―名古屋 後半22分、自身2点目のゴールを決めて喜ぶ鳥栖MF中原輝(中央)=岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場(撮影・米倉義房)

 今季、期待の新戦力として加わった男が、シーズン最終盤にようやく結果を出した。中原輝が今季初得点を含む2ゴール。「J2降格という結果が変わることはないが、勝利に貢献できたことはうれしく思う」と笑みをこぼした。
 開幕直前に負ったけがでシーズン前半を棒に振った。悔しさを胸に秘め、必死にリハビリに取り組み、夏場以降はスタメンの座をつかんだ。しかし、勝利にはつながらず、中原自身も数字を残すことができなかった。
 誰もが待ち望んだ鳥栖加入後初ゴールは、前半10分だった。前線の寺山翼が体を張って残したボールに反応。「いい形でボールがこぼれてきた。何も意識せずに蹴るだけだった」と、冷静に左脚を振った。2点目は名古屋に押し込まれていた後半22分、流れを引き戻す強烈なシュートをネットに突き刺した。
 降格が決まった状況での活躍に、「初ゴールが終盤になってしまい、申し訳ない気持ちはある」と、手放しでは喜べない。それでも木谷公亮監督は「黙々と練習してくれたことが結果に表れた」と日々に努力を評価した。勢いそのままに最終戦でも虎視眈々(たんたん)とゴールを狙う。(中村健人)
 

渡邉綾平「収穫の多い試合だった」 リーグ戦初先発でフル出場

鳥栖―名古屋 後半、ヘディングでクリアする鳥栖MF渡邉綾平(手前)=岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場

 90分間出られたことは素直にうれしい。迷いながらプレーすることもあったが、終盤はどこにボールが来るかを予測できるようになった。セカンドボールを拾うことや相手からボールを奪いきることの大切さを改めて実感でき、収穫の多い試合だった。