
サガン無念「J1」守れず 鳥栖0-2京都
サッカー・J1サガン鳥栖はリーグ戦第34節最終日の19日、京都府のサンガスタジアムbyKYOUCERAで京都サンガと対戦。0―2で敗れた。
試合前に16位だった柏が引き分け、15位の湘南が勝利したため、残留圏内との勝ち点差が13に開き、残り試合で覆すことができなくなり、4試合を残して鳥栖のJ2降格が決まった。通算成績は7勝5分け22敗(勝ち点26)で最下位の20位。京都は勝ち点41で14位。
第35節は10月23、30日、11月1、3日にあり、鳥栖は3日午後2時から鳥栖市の駅前不動産スタジアムで町田ゼルビアと対戦する。
【戦評】
鳥栖は京都に完封負け。J2降格が決まった。
前半立ち上がりは京都がペースをつかむが、10分に相手GKがレッドカードで一発退場。数的有利となった。ただ、決定的な場面は少なく、逆に京都の方が好機をつくり、前半を終えた。
後半20分に先制を許した鳥栖は、マルセロヒアンや途中出場の鈴木らがゴールを目指したが、後半終了間際に追加点を許し、そのまま試合を終えた。
数的優位生かせず無得点

今季の鳥栖を象徴するかのような敗戦でついにJ2降格が決まってしまった。鳥栖は京都相手に数的有利になったにもかかわらず、まさかの2失点。他会場の結果により、13年間守ってきたJ1の椅子を奪われた。原田亘は「サポーターの応援に結果で示せないのは本当に情けない」と視線を落とした。
今季はとにかく攻守で精彩を欠いた戦いが続いた。マルセロヒアンという得点源がいたものの、好機はなかなかつくれず、やっとつくった好機は精度が低かった。守備もまとまりがなく、守護神の朴一圭を持ってしても防ぎきれないほどシュートを浴びた。
京都戦に至っては1人少ない状況の中、相手に終始主導権を握られた。ゲームキャプテンの原田は「1失点目の後、『諦めている場合ではないぞ』と伝えたけれど、ついてくる選手と来ない選手がいた」。降格が決まるかもしれない試合で、ピッチ内の選手が同じ方向を向けなかった。
来季は14年ぶりにJ2の舞台に戦いの場を移す。鳥栖に計約10年在籍する福田晃斗は「またJ1に上がるために選手だけではなく、会社やフロントなど鳥栖に関わる人たちが一丸で準備しないといけない」。一から出直してはい上がるしかない。(中村健人)
「悔しさ絶対忘れない」アカデミー出身の堺屋

鳥栖のアカデミー出身の堺屋佳介は、J1残留を成し遂げられず「本当に残念。自分たちの力のなさを感じた」。言葉を絞り出すように悔しさをにじませた。
中学生から鳥栖に在籍。「自分は技術がある選手ではない。人一倍走って気持ちを見せたかった」と、愛着のあるクラブでプロの第一歩を踏み出したが、つらい現実を突きつけられた。
1年目ながら試合に絡むことが多かっただけに「この悔しさは絶対に忘れてはいけない」と強調した堺屋。「この経験を糧に、(下部組織から)上がってくる選手を引っ張っていく」と決意を新たにした。(中村健人)