小説
<ほっとクリップ>「佐賀文学」39号
佐賀文学同人会(葦山侑子代表)が、同人誌『佐賀文学』の39号を発行した。会員6人による小説と詩、物故会員3人の追悼文を掲載する。 昨年の県文学賞小説部門で一席に輝いた白石町の富節栄さんを新会員に迎えた。
【小説】未だ本能寺にあり(158) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(36)【夏音譚(なつねたん)】 私が又九郎(またくろう)様の洞察以上に驚いていたのは、息も乱さずに落ち着いておられたこと。
【小説】未だ本能寺にあり(157) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(35)【夏音譚(なつねたん)】 織田家の敵は遥(はる)か遠くにいると聞いておりました。その敵がいくつもの城を擦り抜け、誰の目にも触れず、この京にまで辿(たど)り着くなど出来るはずがない。
【小説】未だ本能寺にあり(156) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(34)【夏音譚(なつねたん)】 又九郎(またくろう)様にも私の耳が捉えた音は聞こえたようで、「……まさか」 と、愕然(がくぜん)とした様子で呟(つぶや)かれました。
【小説】未だ本能寺にあり(155) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(33)【夏音譚(なつねたん)】「信貴山(しぎさん)城は思い出深いものですか」 付き添って頂いているのに無言もいけない。
【小説】未だ本能寺にあり(154) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(32)【夏音譚(なつねたん)】「夏音殿は心得違いをしている。
【小説】未だ本能寺にあり(153) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(31)【夏音譚(なつねたん)】「それに油断は禁物なのだろう?」 又九郎(またくろう)様はちょっと意地悪そうに片笑みました。「解(わか)りました。
【小説】未だ本能寺にあり(152) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(30)【夏音譚(なつねたん)】「私などに頭を下げないで下さい。誓って口外いたしません」「ありがとうございます」 金森様は申し訳なさそうに眉間に小さな皺(しわ)を浮かべました。ああ、なるほど。
【小説】未だ本能寺にあり(151) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(29)【夏音譚(なつねたん)】 燭台(しょくだい)があるのは奥、上様の寝所の近くでございます。
【小説】未だ本能寺にあり(150) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(28)【夏音譚(なつねたん)】 その本因坊日海(ほんいんぼう・にっかい)様がお越しになっていたのでございます。こちらのご来訪は予(あらかじ)め決まっておりました。
【小説】未だ本能寺にあり(149) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(27)【夏音譚(なつねたん)】 この六月一日、三嶋(みしま)暦では日食が起こると見立てられていました。
【小説】未だ本能寺にあり(148) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(26)【夏音譚(なつねたん)】 日中、とある事件が起こったのです。その通りでございます。その日、駒井(こまい)様は中国筋におられたのですよね。それなのに何故、ご存知なのでしょうか。
【小説】未だ本能寺にあり(147) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(25)【夏音譚(なつねたん)】 狩野又九郎(かのう・またくろう)様の出生地は美濃国だとか。
【小説】未だ本能寺にあり(146) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(24)【夏音譚(なつねたん)】「まあ、御役目の最中はそのほうがよいな。
【小説】未だ本能寺にあり(145) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(23)【夏音譚(なつねたん)】 咄嗟(とっさ)に名は出ずとも私にも見覚えがありました。小姓衆の御方でございます。
【小説】未だ本能寺にあり(144) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(22)【夏音譚(なつねたん)】 私にはいけない癖……悪癖があるのです。一人になると小さく唄を口ずさんでしまっているのです。 はい、その通りでございます。
【小説】未だ本能寺にあり(143) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(21)【夏音譚(なつねたん)】 上様は留守居の方々に向け、 ――戦支度をして待て。下知あらばすぐに出陣せよ。 と、言い残して京へ出立されました。 一体、何処(どこ)に出陣させるおつもりだったのか。
【小説】未だ本能寺にあり(142) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(20)【夏音譚(なつねたん)】 安濃(あのう)様は敵方に内通していたのか、でございますね。いえ、安濃様は何もご存知ありませんでした。
【小説】未だ本能寺にあり(141) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(19)【夏音譚(なつねたん)】 まず安濃(あのう)様たちが桑実寺(くわのみでら)に向かわれたことを上様に報じたのは、長谷川様、野々村様のどちらかだろうと葛江(かずらえ)様は仰(おっしゃ)っていま…
【小説】未だ本能寺にあり(140) 今村翔吾・作、木村浩之・画
四章 夏のひとり唄(18)【夏音譚(なつねたん)】「引っ立てよ」 上様は侍(はべ)る小姓たちに向け、厳しい口調で命じられました。
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