鉄路の行方~地域と交通(2022年~)

武雄温泉駅と長崎駅を結び、2022年秋に暫定開業する九州新幹線長崎ルート。佐賀と長崎の観光振興の可能性が膨らむと同時に、長崎線の肥前鹿島方面の特急が大幅に減るなど通勤・通学に影響が出ます。
鉄道事業者は人口減少や新型コロナウイルスの影響による需要減少を受け、駅の無人化など合理化を加速させています。2022年企画「鉄路の行方~地域と交通」では、地域を支えてきた鉄道を取り巻く現状と課題を見つめ、将来像を探ります。
【第1章】新幹線開業へ
地域を支えてきた鉄道を取り巻く現状や課題を見つめ、将来像を探る連載「鉄路の行方~地域と交通」。第1章(全10回)は、九州新幹線長崎ルートのフル規格区間の開業を秋に控える沿線の武雄市や嬉野市をはじめ、並行在来線区間になる鹿島市など周辺自治体の状況を切り取った。
「新幹線開業へ」見出し一覧
- 温泉駅のまちで・武雄(上)暮らし運んだ鉄道どこへ
- 温泉駅のまちで・武雄(中)移住の進展なお未知数
- 温泉駅のまちで・武雄(下)在来線、浸水に悩まされ
- 温泉駅のまちで・嬉野(上)悲願の新駅
- 温泉駅のまちで・嬉野(下)コロナ禍の旅館
- 陶都・有田の目線
- 並行在来線の憂い 鹿島・太良(上)
- 並行在来線の憂い 鹿島・太良(下)
- 並行在来線の憂い 白石・江北
- 識者インタビュー 熊本学園大名誉教授
【第2章】合理化のあとさき
第2章(全8回)は、JR九州が12日のダイヤ改正とともに実施した駅の無人化やこれまでの合理化を点検する。ローカル線と地域の関係、事業者の経営事情も見つめ、鉄道の公益性を考えます。
「合理化のあとさき」見出し一覧
- 最も眠らない駅、無人に
- 老いる地域と無人駅―基山・鳥栖
- 障害者合理的配慮のかたち(上)
- 障害者合理的配慮のかたち(下)
- 鉄道事業者の事情(上)
- 鉄道事業者の事情(下)
- 沿線自治体の関わり
- 曲がり角の地方路線 JR社長、国鉄末期と重ねる
【第3章】国鉄・JRから離れて
第3章では、新幹線開業に伴って並行在来線となる長崎線の区間で進む「上下分離」の準備状況のほか、県内外の第3セクターの姿を切り取りながら、旧国鉄やJRの経営から切り離された路線の将来像を考えます。
「国鉄・JRから離れて」見出し一覧
- もう一つの“開業”準備粛々
- 最長の並行在来線・青い森鉄道(青森県)
- 公有民営化」上下分離・若桜鉄道(鳥取県)
- 経営分離から18年・肥薩おれんじ鉄道
- 開業34年、岐路に立つ松浦鉄道
- 九州最短の三セク・甘木鉄道
- 期限付きの並行在来線
【第4章】新幹線開業前夜
九州新幹線長崎ルートは1973年の整備計画から約半世紀が経過し、武雄温泉-長崎間が2022年9月23日に開業する。第4章は、開業直前の長崎・佐賀の沿線の準備状況や期待の声、課題に光を当てる。全8回。
「新幹線開業前夜」見出し一覧
- 「100年に1度」変わる長崎/ 様変わりする港町
- 強化される交通の要衝 諫早、大村
- 武雄温泉駅周辺、整備急ピッチ
- 不安抱えてスタートの嬉野市
- 欠かせぬ広域連携 武雄・嬉野
- 沸き立つ温泉街 武雄・嬉野
- 波及効果狙う佐賀県
- 運行担うJR九州
【第5章】自動車社会の中で
新橋-横浜に日本で初めて鉄道が開業して150年を迎えた。日本の近代化は鉄道の発達と共にあったが、戦後は高度経済成長期に自動車社会が到来すると、鉄道輸送を脅かすようになった。自動車と鉄道の現在の関係を描きながら公共交通の在り方を考える。全8回。
「自動車社会の中で」見出し一覧
- 新幹線と高速バス競合「むしろ歓迎」
- 高速バス「敵はマイカー」
- 国道に架かった二つの橋が廃線の契機に
- 車欠かせない地方暮らし
- 延びる高規格道路
- 福岡都市圏と結ぶ高速バス、JR
- JRから「最も遠い」富士町
【第6章】どうする長崎ルート
西九州新幹線(武雄温泉-長崎)が開業して4カ月が経過しました。意見が分かれる武雄温泉以東の整備を巡る問題を取り上げます。政治の動きとこれまでの複雑な経過をたどるなどして、全線フル規格化についてさまざまな視点から考えます。全8回。
「どうする長崎ルート」見出し一覧
- 浮上した佐賀空港ルート
- リレー方式固定化望まぬ声
- 短い新幹線の理由(上)
- 短い新幹線の理由(下)
- 新たな並行在来線問題
- 江北、佐世保の不安
- 立ちはだかる財源の壁
- 識者インタビュー 青森大教授 櫛引素夫さん
【第7章】分岐点のローカル線
全国的な課題になっているローカル線問題。JR各社が相次いで維持が困難な線区の収支を公表し、今国会では地域公共交通の再編に向けた関連法改正案が審議されています。県内の現状や県外の取り組み、関係者のインタビューを通して地方路線の将来を考えます。全8回。
「分岐点のローカル線」見出し一覧
- 沿線に住んでも車で通学
- 車社会のまちづくり・伊万里
- 「上下分離」半年の長崎線沿線
- 日田彦山線の復旧
- 富山市とJRで活性化した高山線
- 関係者インタビュー(上)国土交通大臣政務官 古川康氏
- 関係者インタビュー(中)JR九州社長 古宮洋二氏
- 関係者インタビュー(下)前富山市長・森雅志氏
- 連載を終えて
地域と交通 さが未来路(2020~2021年)

少子高齢化、人口減少の進展で地域社会は、コミュニティー機能をどう維持していくかという大きな課題に直面しています。そうした地域を支えるバスや電車などの公共交通も廃線や減便などの動きが続いています。通年企画「地域と交通」では、縮小社会が加速する中、佐賀県の地域交通に関する現状と課題を見つめながら、多様な視点から今後の姿を考えていきます。
【第1章】住民
佐賀県の公共交通の現状や課題を追う通年企画「地域と交通~さが未来路」の第1章では、昭和自動車のバス路線見直しに揺れる佐賀市富士町の現状を取り上げながら、住民と公共交通の関係を見つめます。
「住民」見出し一覧
- ルポ・始発に乗って
- 通学生の不満
- 高齢者への影
- 細るコミュニティー
- 移住者の思い
- 「新たな足」確保
- 「バス問題」報道読者の声
- 交通政策人材育成で研修会
- 地域公共交通のトリセツ
【第2章】自治体
生活に身近な公共交通を支えるのは事業者から自治体へと変わりつつある。第2章では自治体に焦点を当て、バス路線が廃止した後の取り組みや厳しい財政状況の中で地域公共交通を支える実情などを捉えます。
「自治体」見出し一覧
- 政策基本法の現場
- 膨張する負担
- まちづくりの手段
- 限られた財源、人材
- 細る地方鉄路
- 苦戦する代替バス
- 「スマホ定期」試験導入へ
- コミュニティーバス運行開始
- 「昭和バス」ありがとう、運行終了
- 予約制乗り合いタクシー
【番外編】コロナ禍の現場から
新型コロナウイルスへの感染を防ぐための外出自粛に伴い、公共交通機関の利用が激減している。経営が厳しさを増す中、交通インフラを維持するためにどう向き合おうとしているのか、現場を見つめます。
「コロナ禍の現場から」見出し一覧
- 駅から消えた人波
- 貸し切りバスキャンセル
- 静まるタクシー配車室
- “視界不良”の佐賀空港
- 読者と記者の交差点プラス JR九州在来線収支公表
【第3章】事業者編
地域住民の「生活の足」を担ってきた事業者が、人口減少や車社会の進展、運転士不足などで減便や路線撤退に追い込まれるケースが増えています。自治体と連携しながら交通網維持を模索する事業者の内実に迫ります。
「事業者編」見出し一覧
- 乗り合いバス(上)
- 乗り合いバス(下)
- タクシー業界
- 公営、三セク
- JR九州
- 持続可能性
【第4章】住民組織・NPO
第4章は、高齢者や障害者の移動を支援する住民組織やNPO法人にスポットを当てる。公共交通の縮小で交通空白地域が広がる中、「生活の足」を確保する住民の取り組みや課題、当事者の思いを描く。
「住民組織・NPO」見出し一覧
- 「善意」に支えられ
- 先駆者の「休止」
- 透析患者自ら
- 「在宅」を目指して
- 自治体の後押し
- 九大研究院教授に聞く