2021年佐賀県内の選挙

 佐賀県内は2021年、「選挙イヤー」を迎える。各陣営や市町の選挙管理委員会は、新型コロナウイルスの感染予防策を講じながら選挙に備える。4市3町の首長選の皮切りは1月24日告示、31日投開票の唐津市長選で、現職と新人の一騎打ちの公算が大きくなっている。26日告示の杵島郡白石町長選は現職だけが立候補を表明している。改選期を迎える5市町の議員選や2市町の補選を含めて情勢をまとめた。(カッコ内の年齢は2021年1月1日現在)

2021年 佐賀県内の選挙予定
市町 告示日
投開票日
唐津市
(市長・市議)
1月24日
1月31日
白石町
(町長・町議)
1月26日
1月31日
上峰町
(町長)
3月9日
3月14日
小城市
(市長)
3月21日
3月28日
みやき町
(町長・町議補選)
3月30日
4月4日
多久市
(市長・市議補選)
9月16日
任期満了
玄海町
(町議)
9月29日
任期満了
佐賀市
(市長・市議)
10月22日
任期満了
鳥栖市
(市議)
11月29日
任期満了

■唐津市(1月31日投開票) 現職と新人一騎打ちへ

 唐津市長選は現職の峰達郎氏(60)=山本、1期=と、新人で元市議の宮崎千鶴氏(66)=神田=が立候補を表明し、選挙戦になる見通しだ。
 峰氏は再選出馬を表明した昨年9月の会見で、公共施設再編や財政基盤確立を市政運営の課題に挙げた。新型コロナウイルスの影響で疲弊した経済の立て直しや、人口減少対策に取り組む考えも示し「次の4年間も市政運営に全力を注ぐ」と述べた。政党推薦は受けず、県農政協議会唐津支部などの推薦を得ている。
 宮崎氏は「歴代の市政が場当たり的な行政を続けてきたことが人口減少を招いた」という問題意識を示している。その上で「これまでの市政の在り方を全面的に検証し、見直すことが肝要」と主張している。昨年9月に公明党を離党しており、特定の政党や団体の支援は受けず、草の根の活動を展開している。
 市長選は1月24日告示、31日投開票の日程で実施される。

 

■白石町(1月31日投開票) 現職、出馬へ

 杵島郡白石町長選は現職で2期目の田島健一氏(70)=福富下分=が立候補を表明している。他に出馬を模索する表立った動きはない。
 田島氏は県武雄土木事務所長などを務め、2013年の町長選で新人同士の争いを制した。前回17年は無投票で再選された。これまでに小学6年と中学3年の給食費を無償化する子育て支援事業や「道の駅しろいし」の整備、農業振興策などに取り組んできた。
 町長選は1月26日告示、31日投開票の日程で実施される。

 

■上峰町(3月14日投開票) 現職と新人激突か

 三養基郡上峰町長選を巡っては、前町総務課長で新人の三好浩之氏(55)=堤=が昨年12月に出馬表明。現職の武広勇平氏(41)=堤、3期=は態度を明らかにしていないものの出馬は確実視されており、前回に続いて一騎打ちの激しい選挙戦が予想される。
 三好氏は1987年に町役場入り。建設課長や総務課長を歴任し、昨年9月に退職した。現町政に疑問を呈し、出馬を決めた。
 武広氏は2009年、前町長の失職に伴う町長選で初当選した。13年は無投票で、17年は新人との争いを制して再選を果たした。
 選挙は3月9日告示、14日投開票。イオン上峰店跡地を含む中心市街地の活性化が課題で、大型開発を進める武広氏に対して三好氏は「身の丈に合った開発」を主張している。自民党県連が三好氏に推薦を出しており、その影響が注目されている。

 

■小城市(3月28日投開票) 現職、5選出馬へ

 小城市長選は現職の江里口秀次氏(68)=小城町、4期=が立候補を表明している。他に候補者の擁立を目指す動きもあるが、具体化には至っていない。
 江里口氏は出馬を表明した昨年の12月議会で、牛津川流域での遊水地整備、多久市との公立病院の統合計画に「全力を尽くす」と強調した。4期目の公約で実現できていないJR牛津駅周辺の都市基盤整備に取り組む意欲も示した。
 江里口氏は合併前の小城町長を2期務めた後、旧4町の合併に伴う2005年4月の市長選で初当選した。前回17年の選挙では、新人の女性候補に約6400票差で勝利した。
 市長選は3月21日告示、28日投開票の日程で行われる。

 

■みやき町(4月4日投開票) 現職、出馬確実視

 三養基郡みやき町長選は現職で4期目の末安伸之氏(64)=簑原=が態度を明らかにしていないが、「まちづくりの拠点施設になるメディカルコミュニティ整備に着手したばかり」と意欲を見せており、出馬は確実視されている。
 末安氏は旧中原町長を3期務めた後、2005年の中原、北茂安、三根の3町合併に伴う町長選で激戦を制し、初代みやき町長になった。その後は3回連続で、無投票で再選された。
 町長選は3月30日告示、4月4日投開票の日程になっている。選挙戦を望む声もあり、対抗馬を擁立する動きが本格化するかどうかが焦点になる。

 

■多久市(9月16日任期満了) 現職7選出馬有力

 多久市長は9月16日に任期満了を迎える。現職の横尾俊彦氏(64)=北多久町、6期=は市長選への態度を明確にしていないが、立候補が有力視されている。他に出馬を模索する動きがあり、8年ぶりに選挙戦になる可能性もある。
 横尾氏は昨年11月下旬の記者会見で出馬の意向を問われ、「気が早い」と明言を避けた。一方、小城市との公立病院の統合計画などを念頭に「単年度で終わらない重要プロジェクトが進んでいる。しっかりとやらなければならない」と述べ、引き続き市政運営に当たる意欲をにじませた。
 前回は無投票で横尾氏の6選が決まった。次期市長選に向けては現職の市議2人が、出馬するかどうか情勢を探っている。

 

■佐賀市(10月22日任期満了) 4期の現職、動向注目

 任期満了に伴い10月に実施される見通しの佐賀市長選は、立候補を表明した人物はおらず、新人の擁立を目指す水面下の動きにとどまっている。当面は現職で4期目の秀島敏行氏(78)の動向に注目が集まる。
 秀島氏は、平成の大合併による新佐賀市の誕生に伴う2005年の市長選で、急進的な行財政改革を進めていた旧佐賀市長への批判票を集めて初当選した。手堅い行政運営などで長期政権となったが、肝いりのバイオマス関連事業の見通しが3期目に議会で問題視され、4期目には議会に諮らずに旧富士小体育館の改修に別の予算を流用したことが判明。多選による緩みを指摘する声が上がる。
 新人の擁立に向けては元衆院議員を父親に持つ官僚に加え、市や県の幹部らの名前が挙がっている。市議の一人は「現職が進退を表明するまで名乗りを上げるのは難しい。動きが本格化するのはそれ以降ではないか」と話す。

 

■5市町改選、2市町で補選

 佐賀県内の市町議会は佐賀市、唐津市、鳥栖市、東松浦郡玄海町、杵島郡白石町の3市2町が任期満了を迎え、改選される。唐津市は今回の改選から定数30を2削減し、28とする。
 唐津市は市長選と同時で1月24日告示、31日投開票。現職25、新人8の計33人が立候補を予定し、激戦が予想される。新人には30代や40代も多く、結果次第では世代交代が進む可能性もある。白石町も町長選と同じ日程で、1月26日告示、31日投開票。定数は16で、現職15、新人3の計18人が立候補を予定している。
 玄海町(定数10)は9月29日、佐賀市(定数36)は市長選と同じく10月22日、鳥栖市(定数22)は11月29日に任期満了を迎える。
 多久市と三養基郡みやき町では首長選と併せて、議員辞職に伴う市議、町議の補欠選挙(各欠員1)が実施される。