12年ぶりのプレーオフ(PO)進出を目前で逃した悔しさをぬぐい去るかのように、全力で走り抜いた。トヨタ紡織九州が意地を見せ、PO進出を決めた大同特殊鋼に15点差を付けて快勝。得点が決まれば全員が立ち上がって喜ぶなど、最後まで敵地の雰囲気を吹き飛ばす試合運びで、今季の集大成を最高の形で示した。
序盤は相手ペースで進む中で果敢に攻め込んだ。5―6と1点を追う前半11分、三重樹弥のシュートを皮切りに、一気に7点を奪った。すかさず相手はタイムアウトを取ったが、その後も攻撃の手を緩めず、連続10得点で勝利への流れを呼び込んだ。
攻撃の軸の庄子直志は「自分たちの攻撃がはまり始めると、徐々にプレーに余裕がでてきた」と個人技で前半だけで6得点を奪い、相手を突き放した。
順位は昨季と同じ5位。それでも昨季は4位のチームと勝ち点差7と、上位との力の差を見せつけられたが、今季は4位と勝ち点差は1と、PO進出へあと一歩のところまで迫った。主将の荒川蔵人は「自分たちは成長していると確信している。今年の経験が来季に生きてくる」と前を向いた。(鶴澤弘樹)