佐賀県内で露地栽培された中晩柑(ちゅうばんかん)「不知火(しらぬい)」の出荷が最盛期を迎えている。鹿島市のJAさが杵藤エリアのみかん選果場では4月末まで、関東や関西方面にさわやかな風味を届ける。
不知火は糖度や酸度など一定の基準を上回ったものを「デコポン」として販売される。ミカンと異なり、デコ(突起)があるため、選果は手作業で一つ一つ専用のトレーに載せていく。ベルトコンベヤーで運ばれ糖度などをセンサーで調べた後、梱包(こんぽう)材入りの段ボールに丁寧に詰められた。
不知火は鹿島市や藤津郡太良町、唐津市などが県内の主産地で2022年産の作付面積は151ヘクタール。前年から6ヘクタール減少した背景には県が開発した新たなブランドかんきつ「にじゅうまる」への切り替えや栽培コストの上昇、高齢化に伴う担い手の減少があるという。
JAの担当者は「裏年でやや数量が少ない中ながらも大玉傾向で、糖度が高い。ぜひ食べてもらえれば」と胸を張る。