佐賀県が開発した新品種のかんきつでデビュー3年目となる「にじゅうまる」の販売が2日、始まった。佐賀市の佐賀青果市場の初セリでは、今年も化粧箱入り3キロに前年と同額の20万円の最高値が付いた。今年の出荷量は前年の1・5倍超の90トンを見込む。
にじゅうまるは約20年かけて開発された中晩柑(ちゅうばんかん)で、さわやかな香りと甘み、ぷちぷちした食感が特長。初セリには約2・9トンが出荷され、山口祥義知事が「異次元のおいしさを届けよう」とあいさつ。JAさがの江島保昌専務が「自信を持って勧めたい。うまいと言われるのが一番の励みになる」とアピールした。佐賀市の果物専門店「果実工房新SUN」(中島新太郎社長)が2年連続で最高値で落札した。中島社長は「敬意と感謝を込めて購入させていただいた。セリは3週間6回で終わり、まだまだ数が少ない」と話した。
中島社長が営む市内の「Fruits Garden 新SUN」の特設売り場には販売前から行列ができた。大ぶり2玉が2700円で販売し、化粧箱入りのものを3箱買い込む客もみられた。市内の荒木和則さん(73)、京子さん(69)夫妻は「3年目でやっと購入できた。値段の分、おいしさも期待している。生産者の思いを感じ、しっかり味わいたい」と笑顔を見せた。(大田浩司、西浦福紗)