敬徳高(伊万里市)が2017年から始めた通信制の運営を軌道に乗せた。開設時14人だった生徒数は、不登校の増加などを背景に年々増え、現在100人を超える。「通信制の存在を知ってもらうことからのスタートだった。初めの頃は苦労しました」と振り返る。

 元中学の数学教諭で校長も務め、定年後に不登校の子どもの支援に携わった。通信制では現場のトップとして、学ぶ意欲を保つための環境づくりに気を配った。「多くの生徒が学校生活に一度つまずき、学び直すために通信制に入ってくる。長い人生でちょっと寄り道しただけだから、前を見て歩いてほしいという気持ちで接しました」

 4日に卒業式があり、本年度は34人を送り出す。入った頃はうつむいてばかりだった生徒が、笑顔で卒業する。「ここに来て良かった」と言ってもらえるのが一番うれしいという。毎年、「泣かないぞ」と決めて卒業式に臨むが、今年も難しそうだ。鹿島市。(青木宏文)