佐賀県の試験研究機関が研究成果を報告した「SAGAラボ10+G」=県庁

 佐賀県の試験研究機関が研究成果を報告する「第20回SAGAラボ10+G」が9日、県庁で開かれた。研究員5人が、県開発の次世代杉「サガンスギ」の苗木を安定生産する研究などについて発表した。

 県林業試験場の特別研究員江島淳さんは、サガンスギが従来品種に比べて成長が早く強度が高い上、花粉量が少ないという特性を紹介。一方で、苗木生産者に育成してもらうには発根率を上げることが求められている点を説明した。

 研究成果として、サガンスギの発根には葉からの吸水や適切な温度管理が必要で、ハウスでの栽培が有効だと分かり、育成の三つのステップそれぞれに適した水分量、温度をコントロールする点が重要であることを指摘した。

 報告会には山口祥義知事や10機関の関係者約30人が出席した。会場からは「苗木生産を補助したい」「従来品種から植え替わるのは百年後か」などと声が上がっていた。

 このほか、牛の体外受精卵作製技術の習得や、漁具や漁場診断を導入した定置網漁業の生産安定などの研究内容が報告された。