日常生活や学校での学びなどで感じた疑問や課題を算数・数学の力を活用して探究する「第10回算数・数学の自由研究」作品コンクールで、佐賀大附属中3年の田中響貴(ひびき)さんが中央審査委員奨励賞に輝いた。昨年に続く受賞で、折りたたみ傘を簡単にたたむのに最適な骨の本数について、三角比や多角形の定理を用いて導き出した。
田中さんの研究タイトルは「不器用な僕に、この傘はたためますか?」。折りたたみ傘をきれいに巻き取ったり、袋に収めたりするのが苦手だった自身の経験に着目。6本骨、8本骨、16本骨の3種類について、傘の構造を模型化し、数学的に検証した。
田中さんは「2年連続で受賞できてとてもうれしい。不器用なことで起こる日々の困り事が発想の原点。これからも日常の小さな気付きや課題を大切にして、解明していきたい」と笑顔を浮かべた。また、数学の魅力について「終わりのないジグソーパズルを楽しく組み立てている感じ」と語った。
コンクールは一般財団法人理数教育研究所が主催。同校で20日、田中さんに賞状を手渡した同法人の岡哲也佐賀県本部長は「日常生活の中に隠れた算数や数学の楽しさを気付かせてくれる、素晴らしい作品だった」とたたえた。
コンクールには、小学低学年、同高学年、中学、高校の4部門に全国から1万6500件の作品が寄せられた。佐賀大附属中は長年のコンクールへの取り組みが評価され、学校賞を受賞した。(住田幸子)