発掘調査の成果を紹介するパネルなどを展示している=佐賀県庁県民ホール

 10年ぶりに発掘調査を実施している吉野ケ里遺跡(神埼市郡)の発掘調査速報展が、佐賀県庁で開かれている。15点のパネルを中心に、弥生時代のかめ棺墓など出土品も並ぶ。28日まで。

 発掘場所は未調査のため「謎のエリア」とされた日吉神社跡で、今年1月末までに1万6千人以上が発掘現場の見学に訪れた。特設サイト「ナゾホルよしのがり」では、定点カメラによるライブ配信で発掘調査の様子を公開するなど情報発信にも力を入れた。

 本年度の調査では、奈良時代の「権(けん)」(棹秤=さおばかり=の重り)が県内で初めて出土した。青銅製で直径約3・4センチ、重さ約82グラム。速報展ではそのレプリカを展示している。

 企画した県文化財保護室の担当者は「作業は慎重に進め、約4200平方メートルのうち約700平方メートルを調査した。発掘は2年間の予定で新年度は5月ぐらいから開始するので、新しい発見を期待して現地の見学もしてほしい」と話す。25、26日は設備点検のため休止する。(福地真紀子)