鳥栖―湘南 後半19分、湘南に5点目を奪われ、肩を落とす鳥栖の選手たち=鳥栖市の駅前不動産スタジアム(撮影・米倉義房)

 サッカー・J1サガン鳥栖はリーグ戦第1節最終日の18日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムで湘南ベルマーレと対戦。1―5で大敗し、開幕戦で黒星を喫した。

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 冷たい雨が5失点という結果に追い打ちをかけた。開幕戦を大敗で落とした鳥栖。試合終了後、雨に打たれながら選手たちはがっくりと肩を落とした。唯一の得点で意地を見せた小野裕二は「スコア通りの悔しい結果。サポーターに申し訳ない」と声を落とした。主将の藤田直之は「切り替えが一番大事。立ち直ることができる選手たちがそろっている」と前を向いた。

 昨季からの課題が今季も浮き彫りとなった。前半3分に右サイドを破られ先制点を献上。試合序盤での失点は昨季も多く見られた展開で、キャンプ中の川崎との練習試合でも早い時間に失点し、最終的に11点を奪われた。川井健太監督は「こういう展開が続くと気にはなる。消極的にならなくていいが、慎重に試合に入ることも必要」と立ち上がりの重要性を説いた。

 試合を通じて、湘南の武器のサイドやカウンターからの攻撃を受け続けた。福田晃斗は「失点を連係のミスで片付けてはならない。ボールの失い方が悪く、球際も負けていた。チームではなく個人の責任」と失点の要因を分析。好機を多く演出し、VARで得点は認められなかったものも含め、4回はゴールネットを揺らした。だが、仮に全て決まったとしても勝ち点は得られていない。チームとしても選手個人としても守備の改善は必須となる。

 予想外のスタートとなったが、今季は始まったばかり。藤田は「よりいい雰囲気で練習したいし、引きずるつもりもない」と長いシーズンを見据えた。(中村健人)