北方領土返還要求佐賀県民集会が12日、小城市のドゥイング三日月で開かれた。行政、教育関係者ら約300人が参加。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で混沌(こんとん)とした情勢の中、返還要求を続けていく決意を新たにした。
集会では唐津東中(唐津市)の2年の伊東莉央さんが、県中学生北方領土に関するコンクールの作文の部で最優秀賞を受けた「平和の象徴 北方領土」を朗読した。問題を学んだり元島民の話を聞いたりして自分にできることを考えた経緯を振り返り、「日本人とロシア人が同じ島で話し合い、笑い合える未来のため、北方領土を伝えていきたい」と思いを語った。
講演で経済評論家の上念司さんが、ロシアとウクライナの状況などを解説。「ロシアが民主的な国家になってはじめて北方領土が返ってくる」と訴えた。
集会は北方領土返還要求運動佐賀県民会議(会長・藤木卓一郎県議会議長)が「北方領土の日」(7日)の一環で開いた。20~24日には県庁で、北方領土問題の経過や北方四島の過去と現在を伝えるパネル展示がある。(花木芙美)