佐賀市の佐賀県立美術館で開催中の「竹久夢二展」(佐賀新聞社主催)は12日閉幕する。独特の美人画を確立し、大正ロマンを代表する叙情画家として知られる夢二が海外の流行をいち早く取り入れ、マルチデザイナーとしても活躍した歩みを紹介している。11日は県内外から700人を超える来場者が訪れた。
今回の目玉は、あでやかな着物の美人画や、初めて一般公開された油絵など晩年の希少な作品。美人画はさらりとした筆致ながらも夢二らしさが盛り込まれ、海外で描いた亡き恋人をモデルにした油絵は郷愁が漂い、夢二作品の集大成と位置づけられている。
ファッション雑誌や包装紙などのデザインにも関わり、かわいらしい図柄は若い女性から人気を博した。当時、雑貨を販売した日本橋の「港屋」は大繁盛し、今回の会場でも夢二デザインのグッズを多く販売している。開場時間は午前9時半~午後6時。最終入場は午後5時半まで。(福本真理)