山口祥義知事(左)に包括外部監査の結果報告書を手渡す監査人の御厨一紀氏=佐賀県庁

 佐賀県の公有財産の事務執行や管理に関する包括外部監査の結果が9日、山口祥義知事に報告された。県が公表している財務諸表の固定資産の数値と、固定資産の元データが一致していないとして改善を求めた。

 国が進める地方公会計に基づき、県は財務諸表などを公表している。ここで示した固定資産の数値と、元データとなる固定資産管理システム上の数値が一致していなかった。2020年度の県の固定資産約1兆3千億円のうち、292億円のずれがあった。

 監査人を務めた公認会計士の御厨一紀氏は「県民にとって分かりやすい開示とは言えず、財政状況の把握や分析を正確に行うことができない」と適切な対応を求めた。固定資産管理システムの記入時に、耐用年数や取得価額などの誤記があったとも指摘。「ずれが生じた原因」と資産活用課は話している。

 単式簿記による会計を補完するもとのして導入した複式簿記上のミスで、同課は「決算が誤っていたり、財政に影響を与えるものではない」と説明する。報告書はこのほか、道路やトンネルなどのインフラ資産を除く公有財産の監査結果をまとめている。(宮﨑勝)