サガン鳥栖U―12の川嵜仁が決勝で3得点。準決勝も合わせて計5発を沈め、優勝に貢献した。川嵜は「相手に押し込まれる時間帯があったが、力を見せられた」と充実した表情を見せた。
前半12分に川嵜の得点で鳥栖が先制した。直後にも川嵜がゴール前で倒されPKを獲得。しかし、自身で蹴ったシュートは枠外に飛び、追加点の好機を逃した。その後は同点に追い付かれるなど、チームは勢いを失いかけた。
それでもハーフタイムに江頭駿監督が「拮抗(きっこう)した状況を打開する選手がプロになれる」と送り出すと、選手たちは息を吹き返した。1年間磨いてきた球際の強さや相手よりも多く走る「ハードワーク」で2点を加え、粘る相手を振り切った。
チームには負けられない理由があった。5年間率いた江頭監督が、今大会でチームを離れることになった。ゲームキャプテンの田中悠士郎は「監督との最後の大会を笑顔で終えよう」と、チームの気持ちを一つにした。
3月の九州大会に向けて田中は「けが人も多い中で、誰が出ても強いチームで優勝を目指したい」と、恩師に吉報を届けることを誓った。(鶴澤弘樹)