佐賀-福岡 第3クオーター、3点シュートを放つ佐賀の西川貴之(右)=唐津市文化体育館(撮影・米倉義房)

 隣県対決になった福岡との九州ダービーは、ベンチ入りの全員が出場する総力戦で勝利をつかんだ。両チームトップの23得点をあげた西川貴之は「特別なことではなく、いつも通りの戦い方をした」とうなずいた。

 得点源のミカイル・マッキントッシュが体調不良でこの日ベンチを外れた。さらに第2クオーターには15得点をあげていた司令塔のレイナルド・ガルシアが負傷交代。主力不在の中、前半は相手の3点シュート攻勢に苦しむ時間帯が続いた。それでも西川に焦りはなかった。「ミク(マッキントッシュ)やガルシアがいないなら自分が起点になればいい」。速攻や3点シュートで自ら得点を量産するだけでなく、パスの起点となり仲間の動きを活性化した。第4クオーターだけで14得点。逆境をはねのけ、勝利をもたらした。

 宮永雄太ヘッドコーチは「長いシーズンでアクシデントは起こる。それぞれが役割を全うしてくれた」と選手たちをねぎらった。

 「苦しい状況こそステップアップできる」と西川。高いレベルでプレーを続ける31歳は、まだまだ成長の歩みを止めない。(北川尊教)