鳥栖の下部組織出身で、早大から加入したDF平瀬大(21)はキャンプ序盤に右足首を負傷し、一時チームを離れた。松葉づえをつくほどで「まずいと思った」が、現在は回復し「練習に入った時の感触もいい」。けがを乗り越え、プロのピッチに立つ。
鳥栖U―18から進学した早大時代にも選手生命に関わる大けがの経験がある。前十字靱帯断裂、半月板損傷…。じっくり時間をかけて治療した。「練習前の準備や体のケアなど、自分にどれだけ時間を使うかがいかに重要かを学んだ」と振り返った。
昨年6月にトップチームの練習に参加。特別指定選手となった8月には、川崎戦に途中出場した。「緊張もなく、気持ちも体もいい準備ができていた」と試合に臨んだが、投入からわずか1分で失点。「いい守備ができた手応えがあったのに決められた。プロの厳しさを味わえた」とJ1の強豪から、さらなる成長の必要性を学んだ。
ユースから大学を経由して鳥栖に戻ってきたのは樋口雄太(現鹿島)以来。「高卒でプロに行くことが全てじゃないということを活躍して証明したい」と熱く語る。後輩たちの目標となる存在になるべく、技を磨く。(中村健人)