近年、世界各地で大雨や暴風、熱波や干ばつなど極端な気象現象が頻発しています。その原因について多くの専門家は「温暖化が大きく影響している」と指摘しています。日本も例外ではなく、大雨や短時間強雨の発生頻度が増加し、降水の日数が減少するという特徴が全国的にみられています(気象庁、2020)。

 佐賀はどうでしょうか。佐賀市(気象台)の年平均気温は、100年当たり1・62度の割合で上昇し、日本の年平均気温の上昇割合よりも大きくなっています(気象庁、2022)。佐賀県内のアメダス観測地点で1時間当たりの降水量が50ミリ以上となった年間発生回数は、観測を始めた1976年から10年間の平均回数と比べて、2021年までの最近10年間の平均回数は約1・8倍に増加しています。

 また、19年から3年連続で大雨特別警報が出るほどの豪雨に見舞われ、洪水や土砂災害など甚大な災害が起きています。「昔と比べて雨の降り方が変わっているのでは?」と聞かれますが、佐賀でも年々大雨の頻度が増し、災害の規模や範囲が大きくなる傾向にあります。それだけ身近な場所での災害のリスクが高まっていると言えるかもしれません。

 23年がどのような天候になるのかを予想することは困難ですが、改めてご家庭や地域、職場や学校で、自然の振る舞いによって生じるリスクや被害を想像し、災害からみんなで身を守る「備え」を行うことが大事なようです。