佐賀県有明水産振興センターは、有明海の県沖全域で深刻化していた冷凍網ノリの色落ちに関して、東部海域だけでなく中部でも回復してきたと発表した。25日からの寒波などで川から栄養塩がもたらされたとみている。

 同センターが26日に実施した調査によると、色落ちが確認されたのは22地点中5地点で、前回調査(18日)の7地点から減少した。東部や中部が正常(レベル1)となり、前回あった色落ち中度(レベル3)、軽度(同2・5)がみられなくなった。一方で、南部では中度、西部では軽度の色落ちが確認されている。

 栄養塩の平均値は1リットル当たり7マイクログラムで、前回調査(23日)の4・5マイクログラムから大幅に改善。生育に必要な基準にまで回復した。東、中部の漁場が8・1~13・6マイクログラムと高い数値となった。一方で西、南部は厳しい状況が続いており、色落ちの原因となる赤潮が白石町地先、鹿島市や太良町地先で確認されている。

 同センターは「植物プランクトンは小康状態だが、月末は小潮に向かうため潮位差が小さく病気が重症化する恐れがある。早めに摘み取ってほしい」と呼びかけている。(大田浩司)