佐賀県は27日、国民健康保険(国保)の2023年度の市町別標準保険税率を公表した。高齢者2人暮らしのモデル世帯で、試算と22年度の現行税率を比べると、17市町で23年度分試算が上回り、嬉野市など3市町が下回った。

 国保は18年度から都道府県が運営に加わる広域化が始まり、市町ごとの会計が赤字化しないよう、県が税率の目安である標準保険税率を毎年算定している。

 県が試算した、モデル世帯(66歳夫婦2人暮らし、年金収入80万円ずつ)の23年度の年間保険税額は、東松浦郡玄海町が最も高く3万6100円。杵島郡大町町が3万6千円、白石町が3万5900円と続いた。安い順では藤津郡太良町が2万8200円で、西松浦郡有田町2万9500円、唐津市3万200円だった。玄海町と太良町の差は7900円。

 22年度から最も上げ幅が大きいのは玄海町で、3200円増、最も下げ幅が大きいのは嬉野市の2400円減となっている。市町は基金の繰り入れなどを踏まえて実際の保険税率を決めるため、標準保険税率通りとはならないが、県国民健康保険課によると、15市町が据え置く方針である一方、4市町が増額改定を予定し、1町は未定だという。

 県内の1人当たりの保険税額は一般会計からの法定外繰り入れなどを考慮しない場合、23年度は12万7934円で前年度比6・67%増を見込んでいる。県内の国保加入世帯は22年11月末現在で10万1506世帯、被保険者は16万1502人。県内市町は27年度に保険税を一本化することに合意している。(大橋諒)