武雄市東川登町の東川登小で16日、「卒業記念揮毫(きごう)会」があり、6年生19人が素焼きの陶器に絵付けをした。町内の陶芸家で佐賀県重要無形文化財保持者の江口勝美さん(86)が手ほどきし、子どもたちは卒業記念となる湯飲みに好きな言葉を入れたり絵を描いたりした。
江口さんは還暦のときから毎年、同校の6年生に絵付けの指導をしている。子どもたちは3年生の頃に手びねりの陶器に絵を描いて以来の体験となった。江口さんは筆を手に「筆先を整えてから一気に描く」「上から直角に描くときれいに仕上がる」などとアドバイスした。
子どもたちはあらかじめ用紙に好きな言葉や絵を下書きし、丁寧な筆遣いで湯飲みに描いた。田中将太君(12)は「絵の具を筆先にたくさん付けたのでうまく描けた」、中村脩君(11)は「筆の使い方のこつが分かったので、思い通りにできた」と満足そうに話した。
湯飲みは江口さんの小山路窯で釉薬をかけて焼き上げ、3月17日の卒業式までに学校に届けられる。(澤登滋)