JR九州は、筑肥線の唐津変電所(唐津市和多田)に設置している電力貯蔵装置について、電力需給のひっ迫時に、電力会社の求めに応じて貯蔵電力を積極活用することで、購入電力を削減すると発表した。4月から1年間実施し、電力需給の安定化に貢献する。
JR九州は2018年11月から唐津変電所の電力貯蔵装置を使い、筑肥線の西唐津-福吉(福岡県糸島市)約19キロで電車が減速する際に生じる「回生電力」を蓄え、加速時に活用している。通常は、この貯蔵電力と電力会社から購入する電力のバランスを取りながら電車を運行しているが、電力需給ひっ迫時には貯蔵電力の活用割合を高めることで、購入電力を削減する。
九州電力(福岡市)が、電力需給の安定のため、需要側の設備を調整力として活用する「デマンドレスポンス」について公募。JR九州は、電力需給に関して九州電力との仲介役となる大阪ガスのグループ企業「Daigasエナジー」と応募し、参加することになった。
「回生電力」を活用した西唐津-福吉区間の電力削減量は約5%となっている。(古賀真理子)