佐賀県内の不動産関連3団体が共同で実施した2022年の県内の「不動産市況調査(不動産DI調査)」によると、新型コロナウイルスの重症化リスクが低減したことなどで人流の回復が進み、取引が活発化していることが分かった。住宅地と商業地の相場に関する景気動向指数(DI)は、ともに県内全域で上昇している。
調査は佐賀県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会県本部、県不動産鑑定士協会の3者が共同で取り組んでおり、9月1日を基準日として調査し、不動産業者223社から回答を得た。前年に比べて業況が「上向き」と答えた割合から「下向き」と答えた割合を差し引いてDIを算出した。
住宅地相場のDIは、鳥栖・三神が最も高く、前年比24・1ポイント増の61・9だった。伊万里が17・4ポイント増の56・3、佐賀南が8・8ポイント増の48・8で続いた。商業地相場のDIは、佐賀北が36・6ポイント増の34・3で最も高かった。上昇幅は伊万里が最も大きく、51・1ポイント増の15・4だった。
相場が全地域で上向いた要因について、県不動産鑑定士協会は「新型コロナ感染や、21年からはウッドショックによる資材不足が続いているが、それに市場が慣れてきた。政府のマイナス金利や住宅ローンの減税も需要を押し上げた」と分析している。
9月時点での今後の予想については、住宅地と商業地ともに、ほとんどの地域でプラスになっている。大型の工場建設が計画されている影響で、住宅地は伊万里で22・2ポイント増の50・0、鳥栖・三神が19・6ポイント増の43・9と活況になる見込みだ。(小島発樹)