佐賀県有明水産振興センターは18日、有明海の県沖全域で深刻化した養殖ノリの色落ちに関して、東部海域で回復してきたと発表した。先週末のまとまった雨で、川からの栄養塩が供給されたと分析している。
同センターが17日に実施した調査によると、色落ちが21地点中7地点で確認されたが、前回調査(11日)で全域にあった色落ち重度(レベル4)がみられなくなり、正常(同1)から色落ち中度(同3)になった。西部で12日以降に網を張り込んだ漁場では色落ちが確認されなかった。
栄養塩の平均値は1リットル当たり2・7マイクログラムで、前回調査の0・3マイクログラムから大幅に改善。ノリの生育に必要な7マイクログラムまで回復しているのが東部海域の河口にある漁場で、中間、沖合も2~5マイクログラムまで回復したという。中部、西部、南部海域は厳しい状態が続いている。
色落ちの原因となった赤潮をもたらすプランクトンの数は、県沖全域で前回調査からほぼ横ばいだった。
同センターは「雨によって筑後川を通じて栄養塩がもたらされ、東部で色が戻ってきた。二番、三番摘みでプラスになる」とした上で「これから大潮に向かうので例年はプランクトンが減るのだが、今年はイレギュラーなことが多くて先が見通せない。日曜日から降雨、気温低下が予想され、海況がさらに好転すればいいが」と述べた。(大田浩司)