佐賀県は12日、インフルエンザの流行発生注意報を発表した。2~8日の1週間に県内39の定点医療機関から報告された患者数が393人に上り、1医療機関当たり10・08人となって基準値の「10」を超えた。6日の流行期入りから6日後の注意報発令は例年より早く、県健康福祉政策課は「感染が急速に広がってきている」と感染予防を呼びかけている。

 注意報の発表は新型コロナウイルスの感染拡大前の2019~20年の冬以来、3季ぶり。今回報告された393人のうち、インフルエンザA型が378人を占め、B型が1人、型不明が14人だった。県薬剤師会によると、佐賀市や唐津・東松浦地区での患者増が目立っている。

 懸念されていた新型コロナとの同時流行が進んでいる。佐賀大医学部の青木洋介教授(感染症学)は「3季ぶりの流行も同時流行も初めてだが、新型コロナとインフルエンザの感染防止対策は同じと言っていい。やることが分かっている点は大きい」と従来通りの感染防止対策を求める。(江島貴之)