母親のオクサナ(左)さんの通訳で、黙々と絵を描くヴィクトリアさん(左から2人目)=佐賀市の西九州大短大部

黙々とクレヨンで描くヴィクトリアさん=佐賀市の西九州大短大部

 ウクライナから佐賀市に避難しているヴィクトリア・フィルさん(16)がこのほど、画家で西九州大短大部の教授牛丸和人さんの絵のワークショップに参加した。時間があれば描くというヴィクトリアさんは、クレヨンを手に黙々と、故郷の景色を画用紙に写し出した。

 ヴィクトリアさんがアート好きだと聞いた、生活支援を行っているNPO法人地球市民の会の大野雄己さんが、周囲に相談。牛丸さんとつながり、ワークショップが実現した。

 ヴィクトリアさんはウクライナでもアートを学んでいたといい、今でもオンラインでウクライナの美術学校の授業を受けている。

 ワークショップは佐賀市の西九州大短大部で開かれ、日本語が話せないヴィクトリアさんに代わり、母親のオクサナさんが、通訳代わりに牛丸さんとやり取りした。ヴィクトリアさんは、オクサナさんのスマートフォンで、住んでいたウクライナの緑豊かな景色の写真を表示しながら、黙々と描いた。

 牛丸さんは、遠くのものから先に描くことなどをアドバイス。ヴィクトリアさんは迷うことなく手慣れた様子で、しっかりと色を配していった。オクサナさんは「家に描いたものがたくさんある。こんな機会ができてうれしい」と喜んだ。(福本真理)