誕生星座のひとつ「ふたご座」は冬の代表的な星座のひとつです。オリオン座の北に、1月から4月頃まで宵空に高くみられます。
ふたご座のカストルは、ごくわずかに明るさが足りず二等星とされていますけれども、一等星のポルックスと仲良く並んで、まさに仲の良い双子のようです。ギリシア神話ではカストルとポルックスは卵から生まれ、カストルが双子の兄とされています。二人合わせて「ディオスクロイ(大神ゼウスの子どもたち)」、これが英語になった読みが「ジェミニ」で、現在の公式な星座名ともなっています。神の子ですから無類の強さを誇り、古代ギリシアから古代ローマ期には戦争や船乗りの守り神と信じられていました。
全天でも目を引くこの明るい2星のペアは、古くから世界各地で注目されていました。日本では、「目玉星」「カニの目」など、アラビアでは「二羽のくじゃく」、インドでは「二匹の子ヤギ」などです。読者の皆さまはどんな見方がお好きでしょうか?
ところで、恒星カストルは、望遠鏡では二つの星がぴったりくっついている重星であることが観察できます。双子の兄カストルは、望遠鏡で見るとまたまた双子なのです。(佐賀市星空学習館副館長・早水勉)
■星空学習館のイベント■
「1月の定例観望会」
毎週金曜・土曜 (1)19時半~ (2)20時半~ (各回45分、定員20人)
※観察会は感染症対策のために事前に参加予約が必要です。