佐賀県内の官公庁や団体は4日、仕事始めを迎え、2023年のスタートを切った。各組織のトップは年頭の訓示で、SAGAアリーナなど新たな施設を生かしたまちづくりや自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画を踏まえつつ、長引く新型コロナウイルス禍や物価高の影響も意識しながら職員の奮起を促した。
未来へ打って出る年に 県庁

佐賀県庁の仕事始め式は佐賀市の佐賀城本丸歴史館であり、幹部約40人が出席した。山口祥義知事は5月に開業するSAGAアリーナで実施されるライブの第1弾が人気ロックグループ「B’z」に決まったことなどに触れ「今年は未来に向かって打って出る年になる」と呼びかけた。
翌年に迫る国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の県内開催については「スポーツの素晴らしさを世界に示していく野心的な取り組みが必要」と強調。そのためには己や佐賀という地域に対する「絶対的な肯定感」が欠かせないとし、「佐賀県の時代をみんなの力で切り開いていこう」と激励した。(大橋諒)
「ウィズコロナ」へ知恵を 佐賀市

佐賀市役所では、坂井英隆市長が約60人の市幹部を前に「本格的なウィズコロナの時代に入ってきた。コロナで疲弊した市民の生活、地域の産業を立て直すことに力を入れたい」と話した。
佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画などを念頭に「私たちは時代の転換点に生きている」と述べ、「重要な職責を担っていることを自覚し、受け身ではなく知恵を絞って挑戦を」と呼びかけた。(川崎久美子)
農業で暮らせる地域社会へ JA

資材高騰に悩む佐賀農業。JA佐賀中央会・連合会の合同仕事始め式には、山下雄平参院農林水産委員長のほか関係者約50人が出席した。金原壽秀会長は「緊急経済対策を手厚くやっていただいたが、ずっと続く保証はない。コストに見合った価格が形成され、農業をしながらご飯を食べられる地域社会をつくるよう努力を」と述べた。今年は農業基本計画が改定されることから「平時から食料安全保障を考える態勢に」と気を引き締めた。(大田浩司)