カササギ(カチガラス)が1923(大正12)年に生息地を定めた国の天然記念物に指定されて100年になる。65(昭和40)年には、県民からの一般公募で「県鳥」にも指定された。400年ほど前に朝鮮半島から持ち込まれたとされるが、生息域はそれほど広がらず九州北部に限られる。白黒ツートンの分かりやすい姿、つがいで仲むつまじく巣作りする様子、電柱の上で「カチカチ」と鳴き交わす声。古陶磁や人形、街路灯まで、佐賀人の愛着を物語る「カチガラス関連プロダクト」を写真で特集する。

民家の屋根に落ちた柿をくちばしにくわえ、飛び立つカササギ=佐賀市川副町
染付皿

「染付鵲(かささぎ)文皿」(1660~1690年代) 佐賀県の県鳥として親しまれているカササギを描いた珍しい染付の皿。余白をたっぷりと取り、松葉の枝にとまる2羽のカササギを描いている(県立九州陶磁文化館所蔵 今泉吉郎・吉博コレクション)
尾崎人形

尾崎人形のカチガラスは、丸い目と、とぼけたような表情で、定番のハトと並んで人気を集めている=神埼市神埼町の工房
JR特急

肥前鹿島駅へ向かう特急「かささぎ」=杵島郡白石町
学章

カササギをモチーフにした佐賀大学の学章。青紫と青緑は、翼や尾のメタリックな光沢、佐賀の空や緑をイメージしている(佐賀大学HPから)
展望デッキ

佐賀空港展望デッキに描かれた巨大なカササギのタイル画=佐賀市川副町
街路灯

カササギをかたどったの街路灯=佐賀市川副町の佐賀空港線・空港大橋
==キーワード==
カササギ(鵲) カラス科。カラスよりやや小さく胸、腹、肩は白色で他は黒色。部分的に青緑や紫の光沢がある。ユーラシア大陸の大部分と北米大陸など世界的に広く分布しているが、日本では佐賀を中心に福岡、長崎、熊本県の一部に生息している。冬の間に巣作りを始め、3月中旬ごろから5、6個を産卵、約20日間でふ化し、5月には巣立ちを迎える。
天然記念物 指定対象は動植物、地質鉱物に加え、「保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域」(天然保護区域)の4種。動物の場合は生息地、繁殖地、渡来地を指定することができる。カササギも「生息地」が指定されており、指定当時の対象地域は佐賀、鳥栖、武雄、多久、鹿島の5市と佐賀、神埼、三養基、小城の4郡。