武雄市

楼門、飛龍窯、大楠…

 西九州新幹線の開業を機に、武雄市内の観光スポットを周遊するバス「たけめぐり」が誕生した。武雄温泉駅から約1時間半かけて、各地を訪ねる。3月26日まで、日曜と祝日の1日4便の限定運行となる。乗車料金は1回200円(小学生、障害者は100円)。

 武雄温泉駅南口のバス乗り場から、丸目のライトが特徴的で愛きょうのあるバス「たけめぐり」に乗り込んだ。定員25人で、窓が大きくて車窓からの景色も楽しめる。武雄温泉物産館-飛龍窯(武内町)-川古の大楠(若木町)-同駅北口-武雄市役所-武雄市図書館・歴史資料館-武雄温泉楼門を巡り、同駅南口に戻ってくる。

武雄温泉南口から出発する観光周遊バス「たけめぐり」=武雄市武雄町昭和

 武雄温泉物産館は、お土産品や手作りのスイーツなどの人気が高い。「一押し」は武雄産の大豆商品。高オレイン酸の健康食品としても浸透し、箱ごと購入する買い物客もいる。

 次に停車するのは飛龍窯。世界一の大きさを誇る登り窯で、工房では陶芸体験もできる。バスは近くの川古の大楠まで行って再び飛龍窯まで戻るため、この間の約40分でろくろを回す体験などができる。

 出発から約1時間20分で駅北口に到着するので、下車して別の目的地を目指すこともできる。そのままバスを利用すると、市役所や市図書館・歴史資料館に向かう。市役所は日曜・祝日も1階ホールや3階テラスなどを開放していて、休憩所としても利用できる。

 最後の停車ポイントは武雄温泉のシンボル「楼門」。国の重要文化財で、朱色の柱に白壁が美しく、撮影スポットとしても人気が高い。同じく国重要文化財の武雄温泉新館も自由に見学できる。

 市観光協会の川浪愛さんは「運転しなくても各スポットまで気軽に行けるので、ぜひ利用してほしい」と呼びかけている。市商工観光課は、4月以降もダイヤやルートを見直して周遊バスの運行を継続する方針を示している。(澤登滋 西部支社)

武雄温泉新館・楼門

武雄温泉新館(右)と楼門(左)=武雄市武雄町

 唐津市出身で日本銀行本店、東京駅を設計した建築家辰野金吾が手がけた。楼門2階の天井にある干支(えと)の見学会は火曜を除く午前9~10時、見学料450円。温泉新館の見学は無料で、午前9時から午後6時まで。大衆浴場は元湯、蓬莱湯、鷺乃湯があり、大人450円から。電話0954(23)2001。

武雄温泉物産館

武雄温泉物産館で販売している武雄市産で高オレイン産の大豆を使った商品

 武雄市では佐賀大が開発した大豆「佐大HO1号」を積極的に生産し、市内の食品会社が商品開発に取り組んでいる。武雄温泉物産館の人気商品は白大豆グラッセ(150円、光武製菓)、大豆ブレンドコーヒー(700円、CoffeeShop喜蔵)、からだにうれしい米みそ(810円、角味噌醤油)など。電話0954(22)4597。

飛龍窯

世界一の容積を誇る飛龍窯の登り窯=武雄市武内町

 武雄の焼き物発祥の地に造られた全長23メートル、高さ3・4メートルの登り窯。1度に12万個の湯飲みを焼成できる世界一の容積を誇る。工房で陶芸体験ができ、ろくろ体験(約15分)は1600円、ひも状に伸ばした土を輪状に積み上げる手びねり体験(約45分)は1400円など。午前9時~午後5時。火曜と年末年始は休み。電話0954(27)3383。

 

 見慣れた景色も、座席に腰を下ろして車窓から眺めるといろんな発見があり、新鮮な気分を味わえる。「2023年版佐賀県旅ガイド」では、佐賀新聞の各エリアの担当記者が電車やバスを利用してとっておきの観光名所やグルメを紹介します!