2019年8月の佐賀豪雨を機にボランティアセンターの運営や被災者支援に取り組む武雄市の一般社団法人「おもやい」が29日、新しい活動拠点「地域共生センターそよぎ」を武雄市北方町に開設した。災害時の支援に加え、地域住民の交流の場にも活用する。
被災者支援を続けるうちに、日常的に介護や生活困窮の相談を受けるようになったため、専用の活動拠点が必要と判断した。おもやい事務所から約200メートル東側、国道34号沿いの元飲食店を購入し改装した。
浸水被害対応で建物を約1メートルかさ上げ。延べ床面積約260平方メートル、板張りの大広間に大小二つの和室がある。体が不自由な人でも利用できる風呂場とトイレも備えた。費用7300万円は、全額を休眠預金等活用法に基づき分配された休眠預金を活用した。
関係者約50人が参加した開所式で鈴木隆太代表は「誰もが分かる北方町の中心に拠点を確保できたことが大きい。日常はいろいろな世代の人たちが交流できる場にしたい」と抱負を述べた。今後は子ども食堂や災害支援研修にも活用する。
視察した武雄市の小松政市長は「とても温かく優しい空間。災害支援だけでなく、多くの住民のより所となることを期待する」と話した。本格オープンは年明けの見込み。(澤登滋)