西松浦郡有田町は28日、ふるさと納税で在留外国人向けの体験型返礼品を発表した。最高額は175万円。窯元などを巡る1泊2日の体験型ツアーで、通常は公開していない場所も訪ねることができる。高額返礼品に限らず、有田焼など従来の返礼品も外国人向けにアピールする。
有田町の175万円の返礼品は、県立九州陶磁文化館、泉山磁石場、李参平窯、柿右衛門窯などを巡り、ろくろ体験や制作工程の見学のほか、泉山磁石場の非公開エリアや柿右衛門窯の邸宅の庭園散策などが含まれる。
在留外国人向けふるさと納税サイト「ふるさとジャパン」の発表イベントが同日、東京都内で開かれ、有田町など全国4市町の首長らが参加。松尾佳昭町長は返礼品の占める割合のうち、5割以上を有田焼が占めると現状を説明した上で、「『モノ』を売るには限界がある。(体験型の)『コト』を返礼品にすることはありがたい話だった」と語り、外国人向けの体験メニューを磨き上げることは、インバウンド戦略にもつながるとの期待感も示した。
「ふるさとジャパン」を手がけるラグジュリーク(本社・東京)の眞野ナオミ社長は、「在留外国人は約300万人いるが、ふるさと納税を利用したことのない人が多い」として潜在的な需要があると強調した。
有田町のほか静岡県富士市、岩手県一関市、北海道倶知安町が参加している。サイトは10月1日に本格運用する。(山口貴由)