約90人が参加した交流会で乾杯する参加者ら=佐賀市のグランデはがくれ

産学官それぞれの代表者が登壇したトークセッション=佐賀市のグランデはがくれ

 女性の活躍を推進するための交流会が10日、佐賀市のグランデはがくれであった。産学官それぞれの現場で女性活躍の推進状況や多様性の価値について意見を交わすトークセッションがあり、出席者約90人が交流を深めた。

 「女性活躍とダイバーシティ(多様性)」と題したトークセッションでは、山口祥義知事、会を開いた「女性の活躍推進佐賀県会議」共同代表を務める大和産業(佐賀市)の岩瀬豊美社長、佐賀大ダイバーシティ推進室の荒木薫副室長の3人が登壇。アバンセの田口香津子館長の司会で意見交換した。

 荒木副室長は「同じような背景や考え方の集団では予期せぬ問題への対処法は限られるので、仲間にはできるだけ多様性を、というのがダイバーシティの考え方」と説明。年齢や家族構成、職歴、佐賀居住歴などの背景を取り上げ「ここに同じ数の男性がいても、多様性では女性が勝る。その点でも女性の活躍は大切」と指摘した。

 岩瀬社長は「営業職に女性は珍しかった二十数年前、営業先から『女は帰れ』と言われても、不思議と疑問には思わなかった」と回顧し、社会の変化を指摘。多様性については、イベント会場の設営などを手がける自社の業務を例に「どんな人が来ても同じように楽しめる会場づくりのためにも、会社にはいろいろな人材が必要」と実感を語った。

 山口知事は2015年の知事初当選時に比べ、県庁で女性管理職の比率が倍増したことや、民間での経験を持つ中途採用に力を入れていることなどを紹介した。交流会は新型コロナウイルスによる中止を経て3年ぶりに開いた。(志垣直哉)