今後の食料安全保障政策について講演した大澤誠さん=佐賀市の県JA会館別館

今後の食料安全保障政策について講演した大澤誠さん=佐賀市の県JA会館別館

 前農林水産審議官で農林中央金庫エグゼクティブ・アドバイザーの大澤誠さんが、佐賀市の県JA会館別館で講演した。長年の行政経験を踏まえながら、これからの食料安全保障政策について展望した。

 大澤さんは農水省でコメ政策改革、TPP(環太平洋連携協定)交渉、全農改革、農地制度改革など農政の重要局面を担当してきた。

 欧州ではウクライナ情勢を受け、高騰する肥料価格の補助や休耕地の作付けを許容する政策を実施していることを説明した。中でもフランスは農業食料省を「農業・食料主権省」と改名し、生産コストの適正に負担することを進めている。具体的には、農業団体を独占禁止法の適用除外とし、肥料や飼料の値上がりに合わせた価格の再交渉や自動変更が卸売り、加工業者とできるようにした。

 大澤さんは「生産資材の問題は政策の盲点。短期的ではなく将来の安定供給の礎を築くべき」と指摘し、「食料安全保障政策は消費者のためのもの。農業者の再生産コストを保障する施策を打ち出すには消費者の理解が欠かせない」と主張した。

 講演会はJA佐賀中央会、県農政協議会が「農政トップセミナー」と題して7月末に開き、約70人が聴講した。(大田浩司)