お盆の会合で高齢者らを含む会食を控えるよう呼びかける山口知事=佐賀県庁

 佐賀県の山口祥義知事は3日、新型コロナウイルス対応で政府が新設した「BA・5対策強化宣言」を発令しない考えを明らかにした。「各県それぞれ工夫しながら対策を講じており、それとあまり違いがない」とし、今後も感染状況に応じて県独自の対策に取り組むとした。

 強化宣言は、都道府県の判断で発令し、高齢者などに外出自粛を要請できる。国は政府職員を派遣し、対策を助言する。

 佐賀新聞の取材に対し、山口知事は「保健所の人手ならば欲しいが、そういう政策にはなっていない」とし、「県民との対話を大事にして救急対応や通常診療を守るための対策を考えている。(国に言われるまでもなく)現場に根付いた措置を発令するのは知事の判断だ」と指摘した。

 県は3日の対策本部会議で、介護を必要とする高齢者などの軽症・無症状の患者を受け入れる宿泊療養施設を杵島郡白石町に開設すると発表した。24床体制で5日から受け入れる。

 要介護の高齢者らは軽症の場合でも10日間の療養期間中、自宅で介護サービスが受けられない。入院し続けることで病床の回転率が低下し、医療提供体制に負荷がかかっていた。

 宿泊療養施設「白石ステーション」として、臨時医療施設に用いていた建物の半分を要介護の高齢者ら向けに振り分ける。看護師や介護士が常駐し、非常勤で医師や薬剤師も配置。入所中に日常生活動作(ADL)が衰えないよう、運動プログラムを提供する。

 病床使用率の上昇抑制については、自宅療養者向けに外来・往診診療する医療機関も拡充する。

 山口知事は「(病床使用率は)まだ上がっていくと推計しており、70%を超えると救急対応や通常診療に黄信号がともる」と説明。お盆時期の県内への帰省や親戚、知人同士での集まりは制限しないものの、「重症化リスクが高い高齢者や呼吸器系の基礎疾患を持っている人との会食は、できる限り控えてほしい」と呼びかけた。(栗林賢、大橋諒)