難民支援をテーマにしたイベント(佐賀県ユニセフ協会主催)がこのほど、佐賀市立図書館で開かれた。参加した約60人が講話や映画を通じ、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナなどの難民問題について考えた。
国際NGO「難民を助ける会(AAR Japan)」佐賀事務所の大室和也所長が、ウクライナに隣接するモルドバからオンラインで講話した。シリアの紛争やミャンマーで迫害されているイスラム教徒少数民族ロヒンギャの問題などを挙げ、紛争や迫害によって居住地を追われた人は世界で8930万人(2021年末)に上ることを説明した。
参加者との質疑では、日本のウクライナ支援に関する質問があった。大室所長は、日本が行っているウクライナと他の地域との人道支援に大きな差があることを示しつつ、「このタイミングで他地域へのアプローチも強めていかないといけない」と強調した。
イベントでは、過激派組織「イスラム国」(IS)の支配下から解放されたシリア北部のクルド人街コバニを舞台にした映画「ラジオ・コバニ」(2016年)の上映もあった。
参加した佐賀清和高3年の原田莉帆さんは「日本の平和に感謝しないといけないと思った。(難民問題を)周囲にも伝えていきたい」と話した。(円田浩二)