日本野球聖地・名所「150選」に選ばれた大町町民グラウンド

野球の聖地・名所に選ばれた「さがみどりの森球場」=佐賀市(佐賀県提供)

 野球伝来150周年を記念して全国で選定された「日本野球聖地・名所『150選』」に佐賀県内から、大町町民グラウンド(杵島郡大町町)とさがみどりの森球場(佐賀県立森林公園野球場、佐賀市久保田町)の2カ所が選ばれた。かつて全国レベルの活躍を誇った杵島炭鉱野球部の本拠地と、次代を担う県内高校球児のひのき舞台がそろって名を刻んだ。

 1872年の野球伝来から150年の節目に、野球殿堂博物館と日本野球機構(NPB)、全日本野球協会(BFJ)が一般公募や野球関係者から寄せられた候補地から選んだ。

 大町町民グラウンドは杵島炭鉱が1930年に開場し、同炭鉱野球部の練習場として利用された。大正時代に創部した野球部は一時、全国都市対抗野球に連続出場するなど活躍した。プロ野球の1軍公式戦は52年7月にあった西鉄ライオンズ―東急フライヤーズのダブルヘッダーが初めてで、翌年4月の同カードが最後となった。

 炭鉱閉山後に町民グラウンドに。2019年8月の佐賀豪雨では2カ月余り災害ごみ置き場になり、被災世帯から畳や家具、家電などが持ち込まれた。ごみが搬出された後は表土を入れ替えて整備された。中学時代から杵島炭鉱野球部の練習に参加していたという県生涯軟式野球連盟会長の田島茂記さん(86)=大町町=は「私を育ててくれた球場。元巨人の黒江選手も杵島炭鉱チーム時代にプレーしていた歴史もある。私は今も投手としてマウンドに立っているので、本当にうれしい」と喜んだ。

 さがみどりの森球場は1999年に開場。県内の主要球場として夏の全国高校野球選手権佐賀大会の決勝の舞台となっているほか、プロ野球も7試合開催している。スコアボードの改修に合わせ2021年に現在の愛称に改めた。収容人数は約1万6500人。

 選定について県まちづくり課の担当者は「夏の高校野球が開かれている真っ最中の喜ばしいニュース。県では甲子園の王座奪還プロジェクトも進めており、弾みがつく」と話した。

 23日からは無料でインストールできるアプリを用いて、全国の認定地を巡るスタンプラリーも実施される。(大橋諒、小野靖久)