プラスチックごみを資源にして、地域で循環させよう-。海のプラごみによる環境問題が深刻化する中、唐津市のNPO法人唐津FARM&FOOD(10人)はペットボトルキャップをコースターなどに再生している。手作りの加工用機械を使い、小中学校でワークショップを開くなど活動が広がっている。
プラごみを再生するオランダ発祥のプロジェクト「プレシャスプラスチック」の一環で、創設者が機械の設計図をネット上で公開している。取り組みは世界100カ国ほどに広がり、佐賀県内では同NPOが21年7月から手がけている。
白や水色、黄緑などが交じった六角形や星型のタイルは、細かく砕いたキャップ6個分で作ることができる。コースターや、壁に張るインテリアとして楽しむことができる。180度程度の機械の電気熱で溶かし、人が押し出す力で型に流し入れる仕組みだ。
2年前に地元に戻ったメンバーの木下翔太さん(26)=同市相知町=が機械製作に関心を持ったことが取り組みのきっかけになった。公開されている設計図を用い、岸本板金(肥前町)の指導で、市の補助金も活用して完成させた。木下さんは「プラスチックイコールだめなものではなく、地域で循環していく流れを作りたい」と話す。
NPOは環境保全など国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の学習の一環として、小中学校やイベントでのワークショップに力を入れる。今夏からは唐津南高の海洋研究班とともに、子どもたちへの啓発に取り組む。代表の濵口のぞみさん(41)は「活動を通して海のプラごみなどに関心を持ち、子どもたちの新たな発想につながるのを期待している。興味を持ってもらい、SDGsに役立てばうれしい」と力を込める。(横田千晶)