鳥栖市内の中学校で2012年、当時中学1年生だった佐藤和威(かずい)さん(23)が、いじめを受け心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、元同級生8人とその保護者、市に約1億2800万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は佐藤さん側の上告を退ける決定をした。12日付。いじめを認め、元同級生側に計約400万円の賠償を命じる一方、市への請求は棄却した二審福岡高裁判決が確定した。

 19年12月の一審佐賀地裁判決は、元同級生2人にエアガンで一方的に撃たれたことなどが、佐藤さんのPTSD発症の原因になったと認定。金銭を要求され、佐藤さんが8人に計約30万円を渡したと認めた。

 福岡高裁は21年7月の判決で、元同級生5人による継続的ないじめで精神的苦痛を受けたと判断。佐藤さんが上告の対象とせず既に賠償命令が確定した他の3人にも、いじめに当たる行為があったとした。PTSD発症は認めなかった。

 市の責任については、一、二審判決とも学校側がいじめを認識できたとは認めず、安全配慮義務違反を否定した。

 最高裁の決定を受け鳥栖市の天野昌明教育長は「真摯(しんし)に受け止めている。これからも引き続き、このような事案が二度と起きないよう、いじめの早期発見、早期対応に努めたい」とコメントした。