最後の企画展となった「ギャラリー収蔵展」で飾られた作品(提供)

佐賀市役所川副支所内にあった「かわそえ佐賀田園の郷ギャラリー」。最後の企画展となった「ギャラリー収蔵展」=佐賀市川副町(提供)

 佐賀市役所川副支所内にあり、3月に閉館した「かわそえ佐賀田園の郷ギャラリー」に所蔵されていた川副町出身の洋画家4人の作品94点が市内の小中学校、公民館、市有施設に移転展示されることになった。10月ごろから順次移動させ、本年度中には各施設で絵を鑑賞できる。

 同ギャラリーは、市町村合併で使用されなくなった議場を有効活用しようと2010年10月に川副支所(旧川副町役場)の3階に設けた。地元出身の大隈武夫さん、田原輝さん(故人)、深川善次さん(故人)、吉田進一さん(故人)から寄贈を受けた作品を展示し、昨年は5千人が来場するなど多くの人に愛される美術館だった。

 老朽化に伴って川副支所が移転することを受け、昨年1月末から3月まで開かれた「ギャラリー収蔵展」を最後に閉館した。今後は市内の公民館7カ所、小・中学校8校、市立図書館や新川副支所など市有施設9カ所、計24カ所で作品を展示する。

 市施設に作品展示の意向調査を行い、日当たりが強過ぎないかなど絵を飾るのに適した環境であることを確認した上で市が移転先を決定した。市の担当者は「末永く絵を大事にしながら、いろんな場所で作品を楽しんでもらいたい」と話す。(中島野愛)