夕食は地元の食材を使ったバーベキューが楽しめる

グランピング施設を手がけるプロジェクトリーダーの宗秀明さん=唐津市鎮西町の松島

夕食は玄界灘を一望しながらバーベキューを楽しめる=唐津市鎮西町の松島

1泊2食付きの朝食

バーベキューが楽しめるウッドデッキとツインドーム型の宿泊施設(奥)=唐津市鎮西町の松島

 唐津市鎮西町の離島・松島に、おしゃれで快適なキャンプが楽しめるグランピング施設「ON THE CLIFF」が完成した。若い世代の島民が運営に関わり、玄界灘を一望できる絶好のロケーションで島の魅力に触れることができる。プロジェクトリーダーの宗秀明さん(27)は「第二の故郷のように、また帰ってきたいと思ってもらえる場所にしたい」と意気込む。

 松島は波戸岬から北約4キロに位置し、呼子港から船で15分。宗さんは佐賀工業高(佐賀市)を卒業後、父の「外で視野を広げて」との助言を受けて3年間、唐津市内の鉄工所で働いた。それから憧れの海士となって仕事に励む中、温暖化などの影響で減少する漁獲量に危機感を覚えた。「大好きな島で住み続けるには、新たな産業を生み出さないといけない」

 宗さんの兄の勇人さん(32)が島でイタリア料理店を営んでいて、訪れた客の「泊まれる場所があるといいね」との一言がグランピングのヒントになった。島に住む漁師や船の乗組員ら20~30代の若者8人でグループ「Island MATSUSHIMA(アイランドマツシマ)」を結成し、2019年にプロジェクトが始まった。

 20年夏の完成を目指したが、コロナ禍の資材不足などの影響を受け、21年12月にようやく着工にこぎ付けた。歩道のコンクリート整備や石垣造りは島民が協力し、3年越しにプロジェクトを実現させた。

 建設費用に充てるためのクラウドファンディング(CF)を2回にわたって募り、約634万円の支援を受けた。離島などでの地域づくりを支援する佐賀県の「さが未来アシスト事業費補助金」も活用した。

 1日1組限定の1泊で、勇人さんが監修する地元の食材を使った朝・夕の2食付き。夕食はウッドデッキでバーベキューを楽しみ、朝食は和・洋から選べる。トイレやシャワーを備え、ツインドーム型のテントには4台のベッドや冷暖房が完備され、ホテルのような空間になっている。

 秀明さんは「利用する人たちに松島の魅力を感じてもらうとともに、島の人が離れなくていいよう、働く場所につながったら」と展望を描く。1組原則4人までで、1人3万円。シュノーケリングなどアウトドア体験もできる。7月から利用客を迎えるが、当面はCFの支援者への返礼に含まれていた宿泊を優先する。問い合わせは宗秀明さん、電話080(8418)3054。(松岡蒼大)