10日投開票の第26回参院選佐賀選挙区(改選数1)に関し、佐賀新聞社は2~5日、県内の有権者に電話で調査し、取材を加味して終盤情勢を探った。自民党現職の福岡資麿候補(49)が序盤の勢いを加速させ、優位を保つ。立憲民主党新人の小野司候補(45)は出遅れを挽回できず、伸び悩む。政治団体「参政党」新人の稲葉継男(46)、共産党新人の上村泰稔(57)、NHK党新人の眞喜志雄一(31)の3候補は厳しい戦い。ただ、調査時点で4割近い人が投票先を決めておらず、今後の情勢は流動的だ。

 福岡氏は自民支持層の約8割、推薦を受ける公明支持層の約9割を固めた。国会で与党寄りの動きを見せる国民民主支持層の8割強も取り込み、無党派層の約4割にも浸透する。各年代で支持を広げ、職業別でも農林水産業や自営・自由業をはじめ、満遍なく食い込んでいる。

 小野氏は立民支持層の約7割を固めたが、共産、国民、日本維新の会からの支持はそれぞれ約1割にとどまっていて、野党候補を一本化できなかったことで政権批判票が分散している傾向がうかがえる。無党派層にも広がっていない。

 比例代表の投票先は、自民が約4割を占め、他を引き離している。立民が1割強で、公明、維新、国民、参政、共産と続く。ただ、回答した人の約4割が投票先を未定としており、選挙区と同様に、情勢は変化する可能性がある。

 昨年10月に就任した岸田文雄首相(自民党総裁)の政権運営への中間評価に加え、物価高や安全保障政策、県内では九州新幹線長崎ルートの整備や佐賀空港へのオスプレイ配備計画などが主な争点となっている。参院選の関心について67・0%が「大いにある」「ある程度ある」と回答し、前回(2019年)を4・5ポイント上回った。(栗林賢)

 

 【調査の方法】7月2日から5日までの4日間、佐賀県の有権者を対象に年齢別、男女別、市町村別人口比に配慮して、コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。電話帳に番号を載せていない人も調査できる。今回は818人から回答を得た。