筆者が作った「ひやしゅっ」

 「ひやしゅっ」(冷汁)は多久で昔から食べられていた料理です。昭和の半ば頃まで多久では「うどん打ち」という行事があり、人々が集まってうどんを作り、うどんにひやしゅっをかけて食べていました。麦ごはんにかけたりもしていたそうですが、今はほとんど作られておらず、筆者も食べたことがありません。そこで、「細川章散文選集 季節のこころ」(『交差点で 佐賀九人散文選集』)に紹介されている作り方を参考に、ひやしゅっ作りに挑戦しました。

 家庭料理ですから、詳しいレシピはありません。筆者が用意した材料は2人分で水300cc、7~8センチのいりこ12匹、いりごま大さじ2杯、味噌(みそ)大さじ2杯、山椒(さんしょう)の葉(無い時は柚子胡椒)、彩りのキュウリ1本です。

 まずいりこのだしをとり、冷やしておきます。すり鉢でいりごまと、茎を取った山椒の葉をすりつぶし、味噌を加えてさらにすります。味見をしながら山椒の葉を調節し、筆者は小さな葉40枚ほどを入れました。そしていりこのだし汁を少しずつ加え伸ばします。これでひやしゅっの完成です。ゆでて水で締めたうどんを器に盛り、ひやしゅっをかけ、細切りにしたキュウリを添えていただきました。

 いりこ、味噌、ごまの滋味が広がり、山椒の香りが食欲をそそる、夏にぴったりのおいしさです。ぜひお試しください。

(志佐喜栄・多久市郷土資料館)